un capodoglio d'avorio
2003年07月23日(水) |
白井サン、ありがとー |
朝から風邪でダウンしてて、ぼけぼけ。 へろへろしつつファンサイトのBBSを見てたら、 一気に熱が上がりそうなニュース。
↑The High-lows↓のキーボード・白井幹夫サン ツアーファイナルの7/13大阪城野外音楽堂をもって脱退
え・・・。
白井サンは、The Blue Heartsの頃からずーっと、 ヒロトやマーシーと一緒にやってきてる長いつきあいのヒトなんだ。 長さが即、価値というわけではないけれど、 ブルハ後期のライヴ、あの Train-trainの印象的なピアノを弾いてたのは、 全部、白井サンだったの。 日本でもっとも演奏の上手いバンドのひとつ・ハイロウズの中にあって、 ベース・先人クンやドラムス・おーチャンみたいな、 圧倒的なテクニック、超人的なリズム感があるわけじゃなかった。 ときどき拍子を外したりもしてたし、 決して「上手い」キーボードでは無かった。
でも、ハイロウズのキーボードは白井サンじゃなくちゃ感が強かったよ。 あの激しいたたきつけて雪崩落ちるような、 それこそ「ジェリー・リー・スタイル」みたいなカッコ、好きだもん。 「ロック」というよりも、「ロックンロール」というよりも、 「ロケンロー!」って感じなプレイ、 けれども音は決してマッチョじゃなかった、そこが大好きだった。
ハイロウズの他のメンバーはなんか、 勢いがあって真っ直ぐで素敵なんだけどどこか、子供っぽくて、 それがいいんだけど、白井サンはひとりで背負ってたよ。
何を?
「エロ」と「ワル」を。
まっすぐキラキラ光る、スーッと伸びてく流れ星のウェーキーの中に、 向こうを透かして見える漆黒のブラックホール白鳥座X-1の影。 その黒さこそ、ステージ上の白井サンだった。 そんな、光と影を見事な配分でシェイクして、 ハイロウズは他のバンドを圧倒する強度と広がりを持つ美しいカクテルだった。 メンバーが一人でも変われば、同じ曲をしてもそれは別のバンド。 どかはこれからもヒロトとマーシーとハイロウズは、 自分の一部として持ち続けるけれども、 第一期のハイロウズとして最高傑作の「エンジェルビートル」を残して、 何かひとつの流れがここに完結するようなたたずまい、だね・・・
このニュースはファンクラブの会報に掲載されたらしい。 大阪城野外音楽堂でも、どかがいた日比谷野外音楽堂でも、 ひとこともそんな話、出なかった。 「らしいなー」って思う。いかにも、ハイロウズだ。 人によってはこのファンを突き放したようなバンドの対応は、 非難されるだろうけれど、 どかはこの冷たくもいさぎよい対応に、逆にほだされてしまう。 ファンサイトのBBSを見てると、白井サンのあのみょーなダンスが思い出されて、 涙がこぼれてしまうけれど、でも、ハイロウズらしいこの顛末に、 冷たい手でヨシヨシされてる感じで、なぐさめられる気がする。
いきさつも、理由も、何も言わない。 でも、白井サンがいたハイロウズの史上最高の音を、 君らに届けた、他になにか、欲しいかい?
ううん、何もいらない。 何もいらない、それで充分。 どかはただ、白井サンのベストアクトを、 今までのライヴの思い出の中から、いまもう一度、再現するだけ。
どかにとっての、白井サンの代表曲。 「ジャングルジム」 「マミー」 「一人で大人 一人で子供」 そして何より、 「ハスキー(欲望という名の戦車)」だった。
笑いながら、泣いてしまう、ような。 ハイロウズナンバー中、いまでももっとも盛り上がる この「ロケンローナンバー」に、 そんな清濁込み込みの混沌をもたらしてくれたのは白井サンのピアノ。
白井サン、ありがとー。
枯れ葉のような舟で ユーレイ船に会った そしてもう戻らない もう二度と戻らない うたおうハスキーボイス (作詞作曲・甲本ヒロト「ハスキー(欲望という名の戦車)」)
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