un capodoglio d'avorio
2002年11月06日(水) |
THE HIGH-LOWS "一人で大人 一人で子供" |
ハイロウズの先行シングル第二弾、早速聴く聴く聴く。 おおおおおおおお、来た来た来た来たあ! 疲弊気味の身体にジィインと響くロックンロール、ロックだ。
1「一人で大人 一人で子供」作詞作曲・真島昌利
もっとバキバキのロックナンバーかと思いきや、違った。 ミディアムスローな、ガレージっぽいテイスト、 でもそれでテンションが低いかと言うと全然っそうじゃない。 童謡パワフルバージョンちっくなヒロトのボーカルも、 ダルでギィウーって弾き方のマーシーのギターも、 鉄壁のリズム隊も全部、一つの焦点にバチッと合ってて 全くぶれないことの強さ美しさ。 間奏にフルートっぽい管楽器が入っていたりして意外で楽しい。 そしてそこからピアノが一本入ってボーカルが乗る。 んでドラムが入り、ベースが入り、ギターが乗る、ああああ、 みんなで音を鳴らして一緒に合わせることへの、 原始的な喜びに溢れてるんだよね、これわ。 歌詞も、シンプルで短くて、難解な言葉も遣わず、 でも直接的で力強くて優しくて、温かい。 どうしたんだろう、マーシー、ソングライティング絶好調やん。 怖いくらい、切れてる、冴えてる、すごいな、すごいよ。 「曇天」も凄かったしこれも、バンドで音として鳴らしたときの 凝集力と解放力と、つまりそれらを足して出てくるグルーブが、 とても心地よい、イイ感じ・・・
2「俺たちに明日は無い」作詞作曲・甲本ヒロト
こっちはいわゆるハイロウズ風のバキバキロックチューン。 でもどこか、今までとは違う、自在にシフトチェンジをする自由げ。 日常の映画を観ている情景から、一気にテンション上昇な、 歌詞の風景、ヒロト節の言い回しが相変わらず快感などか。 マーシーの歌詞が例えば西部・西口の148kmストレートだとすると、 ヒロトの歌詞は引退した阪神・星野の85kmのスローカーブだ。 ぱっと見は全然違うけれど、その威力、リアリティはどちらも、 ハッとさせるくらい高いのな。
ヒロトは天才肌で、マーシーは秀才だとよく言われる。 どかはずーっと、ヒロト派で通してきた(マーシー派に対して)。 マーシーの作風は感情の爆発の中に、 理知で磨いたナイフを潜ませるところ、攻撃的という意味ではなく、 冴え冴えとした情景描写や言い回しで一瞬にして、 とりまく世界を転回させてしまう快感がある。 そしてマーシーは常にあるクオリティを外さず「捨て曲」を作らない。 わかりやすく言うと「TRAIN-TRAIN」はマーシー作なのだ。
そして「情熱の薔薇」はかつてのヒロト作だ。 この天使系ボーカルはムラがあって「捨て曲」も少し、ある (ごめんなさい、でも、そう)。 マーシーがフォアボールを出さない局面で死球や暴投になっちゃう、 そないにお茶目なところがヒロトの特徴、でもね。 ヒロトはマーシーがねらっても投げられないギリギリのインハイを、 例のスローカーブで抜くことがあるのだな、時折、それがすごい。 天真爛漫ときどき哀切系楽曲を作らせると右にでるものはいない。 そしてどかはそんな全ての時間を止めてしまうヒロトの曲を ライブで聴けるほどの快感を越えるそれは思いつかない、ほど。
・・・ところが最近、マーシーがヒロトに迫ってる気がする。 理知のナイフの代わりにからだ丸ごとそこに飛び込んでくるみたいな。 そんな体を張った切実さが真っ直ぐさがすごい効果を出してる。 演奏のニュアンスがだんだん変わってきて、 なおさらそれがクローズアップされてきた、気がする。
ハイロウズはいよいよツアーを開始する、 どんどん加速度が増しているっ、どないすんねん、どか!
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