un capodoglio d'avorio
2002年05月26日(日) |
G1東京優駿(日本ダービー) |
パー、パパパー、パパパー、ジャジャジャジャーン、パパパパー、ジャジャジャジャーン!
競馬に携わる者、馬主・調教師・ジョッキー・記者・予想屋・ファンのそれぞれが、 一年の目標にするレース、それがダービー。
NHKマイルでは苦汁を飲んだけれど、再度、武豊とタニノギムレットコンビから流す。
2(ノーリーズン)-3 3-4(ダイタクフラッグ) 3-7(モノポライザー) 3-17(タイガーカフェ)
タニノギムレットは1番人気なのだが、2番人気の外国産馬シンボリクリスエスと 4番人気のNHKマイルを勝ったあのテレグノシスはあえて外した。 それまでは五月晴れな底抜けの青空に恵まれていた府中の杜は、突如曇天模様、発走間際。
息苦しい。 これまでで一番人口密度の高いスタンド、緊張する、タケサマ・・・発走!
サンヴァレーが先行、なんと2コーナーでもうギムレットが3位につける、早すぎないか。 2コーナーから3コーナー出口で、一旦ギムレットは下がる。 府中の直線は国内最長の500メートル、スタンドからは遥か彼方に霞む馬群・・・ まず抜け出したのはメガスターダム、やば、ノーマークやん。 と、それを追うのがマチカネアカツキとシンボリクリスエス。 タイガーカフェはズルズル後退、ああ。 シンボリクリスエスがメガスターダムを捉えて、あと150メートル、 スタンドの絶叫にかこまれて、でもただ一頭の馬に注目している、静かに、静かに。 ・・・来た、ギムレット。 歓声とざわめきが遠くなる、時間が止まる、ギムレットが詰める。 あと50メートル、並んだ。 ・・・タケサマ万歳。
最終コーナー、外側に馬を振った武豊は前のスペースを確保しつつ、タイミングを待っていた。 狙いすましてサシきる、強いレース、鳥肌が立った、半泣き。 すぐにスコールのような雨が降ってきた、遠くで雷までなりだして、実に象徴的だ。 土砂降りの雨のなか、ウィニングランでスタンド前にギムレットが戻ってくるまで、 スタンドの大多数のファンは動かないで、ユタカコールを続けた。 ユ・タ・カッ・ユ・タ・カッ・・・ あれだけ勝ち星を量産している、生涯連対率が4割に届こうかという、 本場ヨーロッパのG?も穫ってしまった不世出のジョッキーが、 声援に応えながら馬を下げる一瞬、ギムレットの背中で小さくガッツポーズをした。 武豊は日本ダ−ビー3勝目、この記録は史上初である。 スコールと雷鳴の中、あっさりと紙屑になってしまった馬券を握りしめながら、 でもギムレットから流して馬券を勝った自分が凄い嬉しかった。 1番人気だろうが、万馬券だろうが関係なくて、同じ条件で一回きりのレース、 オッズなんかじゃ図れないくらいあの時間の止まった瞬間は貴重だ。
一つだけ全くよけいな存在がいた。 小泉純一郎だ。 全くよけいなコメントをしていてむかつく。 彼の買った馬券と同じ馬券を買わなかったことが救いだ。
その後最終レースが終わる頃、最終コーナーの向こうに大きくくっきりと虹が出た。 しかも二重に、美しく、大きく。 ずぶぬれになりながら、武豊の前の芝を重くはさせまいと配慮した、どこかの神様はきっと、 その橋のたもとにいたのだろう。
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