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2002年06月05日(水) メトロノーム

迷っている。
右の扉を開くのか、左の扉を開くのか。
左右の扉のちょうど真中に立って、目を瞑って心を落ち着かせて
「今」という時間を過ごしている。
考えている。
「どちらの扉が正しいのか」と。悩めば悩むほど追い込まれる感じがして、
身動きすらまともに取れなくなる。
目の前には霧がかかり、向こう側は全く見えない。
人生において必ず誰しも分岐点が訪れる。
しかしいつまでも待ってはくれない。
時間という制限された自由を私たちはいつも楽しんだり、苦しんだりしている。
そして今、私は右に行くべきか左に行くべきか苦しんでいる。
後悔する。
「あの時もしも違う扉を選んでいたら…」と。
人生において必ず誰しも後悔する時が訪れる。
時間の流れに逆らうことのできない人間の悲しい性だ。
そして人生という長い旅を全うする寸前に私はこう思うのだろう。
「きっとどちらの扉も正しかったのだ」と。
その瞬間、すべての後悔が洗い流され時間という航海も終える。


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