先月終わり。
ハルから久しぶりにメールが来て。
その日は、栄が飲み会で。
私は、もう寝ようと思い、布団に入っていた。
メールは。
「俺は、今でも、昔と変わらず、りりかを愛しているよ。でも、それと同じだけ憎んでもいる」
と、書かれていた。
いつもなら、返さないのに。
「憎んでいる」と言う部分がショックで。
訳も分からず「ごめんなさい」と返した。
「謝らないでくれよ。惨めになるから。俺が失言した、それでりりかが逃げた。正当な理由じゃん。だけど、憎んでいる。俺は、りりかとずっと一緒にいたかっただけなのに」
私から、電話をかけた。
そして、逃げたわけじゃない、と言った。
ハルは、自分がどれだけ辛い思いをしているか、りりかには、分かるはずもない、といった。
「ごめんなさい」
何度目かのごめんなさいを言ったとき。
ハルは。
「謝るくらいなら・・・」
と、言った。
言いかけて、やめた。
私は、あえて、続きを聞こうとは思わなかった。
「ごめんね。もう、メールも電話も、しないから」
ハルは、言った。
黙っている私に。
「元気で。幸せに、なりなよ」
と、言った。
きっと、これで本当に終わりだろう。
私は、弁解もせず。
私は、謝るだけで、ハルはきっと今でも私を逃げたと思い、憎んでいるんだろう。
それでいい、と思った。
電話を切って、少しして。
栄から電話が来た。
すぐ出た私に。
「寝てなかったの?明日も早いんでしょ?今から帰るね」
と、栄は言った。
昨日の日記で、すぐ結婚を承諾したと書いて。
ハルのときと違うのは、何で?東京から離れなくても、いいから?と言うメールを頂いた。
確かに、ハルとの結婚で悩んでいた部分。
仕事を辞めて、親も兄弟も友達もいない、知らない土地へ行かなきゃいけないという不安は、常にあったし、ここでも書いてきていた。
でも、当たり前だけどそれだけじゃない。
結婚に踏み切れないだけの、不安要素は山ほどあった。
栄との結婚にも、やっぱり不安は色々とあるけれど。
私は、栄と結婚したい、と思った。
不安とか、栄と一緒に乗り越えて行きたい、と思った。
一度失敗している私たちだからこそ。
出来ることがある、そう思っている。
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