march forward.
りりかの独り言。

2005年12月05日(月) 10月・11月

栄と、東京タワーに行った。

何度目かの、東京タワー。


私は、色々なことで、悩んでいる時期だったと思う。

だから、簡単に「栄と会わない誓い」を破った。

たくさん、話を聞いてもらって。

私は、凄く楽になれた。

ハルと決定的に違うのは。

栄は、私の話に対して、自分の感情を一緒に入れて、意見しないところ。

ハルは、私が仕事の事で悩んでいれば「俺のほうが頑張っている」「そんな仕事早く辞めればいい。早く結婚しちゃえばいい」なんて、言う。

私は、聞いて欲しかっただけ。

「そうか。それで?りりかは、どうしたい?」

って、言って欲しかっただけ。

そして、私が出した結論が、間違っていれば指摘をして。

間違っていなければ、肯定して欲しかっただけ。




それから。

栄と、何度も会うようになった。

また。

毎日、会うようになった。



「やっぱり、俺らは一緒にいなきゃだめだよ」

と、栄が言って。

私も頷いた。




何日間か。

幸せな日々が続き。

でも。

いきなり崩れかけた。



栄が、事故を起こし。

相手の方が亡くなってしまったから。

詳しくは書けないけど。

栄には落ち度は無く。

一日だけで、釈放されたけど。

それでも一度は「現行犯逮捕」をされた。


私は、あの日のことを、今でも鮮明に覚えていて。

それは、たまに、あの日のことがそのまま再現された夢を見てるから。

そう言うのを、フラッシュバックと言う、とお医者さんに言われた。

でもそれは悪いことじゃなく。

それを受け止める力があるから、夢に出て来るんだよ、と。

受け止める力が無かったら、人間は本能的に嫌なことは、忘れるんだ、と。




栄は一日で帰ってきたけど。

それから毎日が、大変だった。

遺族の方に謝罪に行ったり。

保険屋さんとの話し合いや。

警察にも、何度も行かなきゃならなかった。



私は、店長になる間際の時期で。

仕事を休めるなんてわけにも行かず。

ただただ、メールで励まして、帰ってきたら抱きしめるしか、無かった。



そんな時期だったから。

子供たちとも突然会うことになってしまったし。

私の母親や妹や弟にも、突然会う事になった。

私も、栄のご両親に警察で会ったりした。

それでも、周りはすんなり受け入れてくれて。

栄の人柄もあったんだろうけど。

気付いたら、家族のようになっていた。

私たちは5人で、生活するのが、当たり前になっていた。



ライラと同じくらいの息子がいる栄は。

ライラをものすごく可愛がり。

上のお姉ちゃんたちとは、友達感覚で。

とにかく。

事故から、少しずつ。

私たちは、進んだ。


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