「電話してもいい?」とか言うメールもなく。
今日は突然かかって来た。
ずいぶん、酔っ払っているときのハルだ。
声で分かる。
そして、いつもみたいに愚痴を言い出す。
これも、いつも通りだ。
私も、いつも通り「うんうん」って聞くだけ。
一通り話し終わった後。
「吐き出せる場所が、ない」
小さい声で、ハルはそう言った。
私は、胸が縮むみたいな、なんだか変な感じになった。
私でよかったら、聞くよ。
いいよ、吐き出しても。
何度も「ごめん」って言われる。
何度も「ホントに、ごめん」って言われる。
「やり直そう」
そう言ったのは、私。
ハルは「だめだよ。りりかのこと、今一生懸命考えてくれる人いるじゃん」と言った。
「そうだね、でも。やり直そう、一から」
長い間お互い黙って。
そして先に口を開いたのは、ハル。
「結婚とか、そういう事は、考えてあげられないよ?」
思わず噴出しちゃった。
「それでいいよ」
「何で笑うんだよ」
「だってさぁ・・・」
「りりか」
「何?」
「愛してる」
うん、知ってるよ。ずっと前から。
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