march forward.
りりかの独り言。

2005年06月06日(月) 本当の。

ハルが帰ったのは、朝。

私は、具合も良くなって、仕事へ行こうと電話をした。

でも、今日はもう休んで、と言われて家でおとなしく。



夕方、仕事が終わったハルから電話が来た。

いつも通りだった。

私は、その「いつも通り」がやっぱりおかしいと思った。

だから。

「早く、何でも話せる彼女を探さなきゃね。そのためにも、別れた彼女になんか電話している暇があったら、出掛けなきゃ」と言った。

ハルは無言になって。

しばらく黙ってから。

「りりかといるとなんであんなに落ち着くんだろう」

と言った。



一緒に寝なくても。

手を繋がないでも。

抱き締め合わなくても。

一緒にいるんだって言うだけで。




「私は、栄に惹かれてる」

「嘘だね」

「ホントに」

「嘘だよ」




嘘じゃない。

本当の話。




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