夕方。
「これから帰ります。りりかはまだ出かけてるの?子供たちは一緒なの?」
と言うメールが来た。
夜になってから、電話が来た。
「無事に着いたよ。高速混んでなかったから助かった」
「良かったね」
「りりかが会ってくれなかったことで、何か踏ん切りみたいのついたよ。うざいことして、ごめん」
「うざくなんかないよ。私も、ごめんなさい」
たくさん、話した。
2時間くらい。
いつもみたいに。
何も変わらず。
不意にハルが。
「恋人には戻れないけど。友達には、戻れるかな」
なんて言った。
私も「うん」って言った。
ハルのことが、すごく好き。
でも、私は今までされて嫌だったくせに、ハルを非難した。
ハルも侮辱した。
あの時の私たちは、どうかしてたんだろう。
だめだと思いつつも、お互いに罵倒しか、出来なかった。
そして、疲れて。
どんどん、すれ違って行って。
それでも何とか繋がっていようと、必死になって。
聞かなかった振り、言わなかった振りを、少しの間続けた。
だけど、別れるとかそういう話が出たあの日。
私がまだハルの所へ行くのはまだちょっと・・・と言った日。
また、ぶり返した。
きっとね。
聞かなかった振り、言わなかった振りをしてもね。
また喧嘩とかなんかあった時に、ぶり返して。
その度にどんどん傷つけていくんだよ。
傷は深く、大きくなっていくの。
だけど、繋がっていたいのはお互いの本音。
だから、友達なんて言う、曖昧な線引きで一緒にいることになる。
「りりかちゃんとハルちゃんは友達にはなれないよ。愛し過ぎたよ、お互いに」
ひなが、そう言った。
私は「なれなくてもいい、そういう意味のある関係でいると言うだけで」
と言った。
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