あいつの誕生日が、もうすぐ。
今年は平日のため、会う事は難しいし。
何より、夜出る事は、仕事以外ではあまりしたくないし。
そんな話を数日前に、あいつに話し。
結局、今日の夕方、少しだけあいつが来ると言うことになった。
明日、私は子供たちと一日遊ぶ予定だったから。
子供たちは、私の実家で待っていることになり。
夕方から数時間、あいつと会い。
大慌てで買ってきた、プレゼントを渡す。
ブルガリの緑茶ベースの香水なんだけど。
香水嫌いの私でも、何だか癒されるような香りだったから。
あいつにプレゼントして、つけてもらおうと思って。
値段にしたら、今までで最低記録なんだけど。
あいつは、そんなことやっぱり気にしないで、大喜びしてくれた。
一緒に渡した、ラブレターが嬉しかったのかも。
一緒に夕飯を、私のリクエストでうどん屋で食べて。
その後一応誕生日だし、カフェコムサに行きケーキを食べて。
「おめでとう」を何回も言った。
その度に。
「これで四捨五入したら、俺もりりかと一緒の三十路だね」
なんて、嬉しそうに言われたけど・・・。
25歳なんて、やっぱり若いよなぁ。
帰り際、車の中で銀行の封筒を渡される。
毎月渡すと言っていた、生活費だ。
厚みだけで、結構入っているのが分かった。
「今月は引越ししたばかりだし、○○(長女)の制服も買ったでしょ?だから多目にね」
「こんなにいいよ・・・大丈夫だよ。申請して来たから、来月分からは児童手当とかも出るから」
「そんなの、来月すぐ出るわけじゃないし、今月なんかあったらどうするの?例えば病気とか怪我とか」
「1人親って病院代凄く安いんだって」
「いいから!いい加減怒るよ?」
封筒を黙ってしまい。
お別れのキスをして、別れた。
あいつが家についてから、少しして電話が来て。
「俺って重たいかな?」
と言われて。
重たい・・・とはちょっと違うけど。
こう言う面での無理って、させたら悪いかなぁって思う。
と、私は答えた。
「そう言う理由で、受取りづらいって言うなら、安心した」
「なんで?」
「俺がしてる事が、重たく思われてて、俺一人空回りしてたら、悲しいなぁって思ってさ」
「重たいとは、やっぱり違うよ。だって、こう言う風に私たちの事を考えてくれて、行動してくれている事は、私は嬉しいし感謝しています。ありがとう」
「うん!りりかが嬉しいと思ってくれているなら、それでいい」
寝る前に、初めて封筒を開けた。
本当に、無理してないのかなぁ・・・と、思ったりした。
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