march forward.
りりかの独り言。

2003年12月31日(水) 何が寂しいのか。

あいつと、年越しをするのは、何度目だろう。

31日から日付が変わった元旦の夜中。

ぼんやり、考えた。





東京を出たのは、お昼の12時。

あいつの車に荷物と私が乗り込んで。

いいお天気の中、高速に乗った。


サービスエリアに寄ったりしても、思ったより早く着き。

チェックインまで時間があるね、ってあいつが言い。

海の傍だったから、海を見に行こうって、海岸に車を走らせた。

気温は高かったけど。

さすがに海岸の風は強くて、寒くて。

私は「寒い」って何度も言った。

私の体調が余りよくない事を知っていたあいつは。

私を慌てて車に乗せ。

海岸に入る前の道路にあった自販機で、温かいお茶を買い。

「体温めて。今から旅館に向かうから」

と、心配そうに言った。


着いた旅館は、綺麗で、食事もお風呂も豪華で。

私は、素直に喜んだ。

あいつは、喜ぶ私を見て、満足そうに笑ってた。


何でこの人は、私が喜ぶ所を見ると。

こんなにも幸せそうな笑顔になれるの?と。

少しだけ、疑問に感じた。






1時間くらい前に。

「おめでとう」

を、言い合って。

一緒にお布団の中に入った。

あいつは、たくさんの運転とお酒のせいで。

うとうとしていた。

私は、なぜか。

睡眠不足だし、疲れているはずなのに。

目が冴えてしまい、眠れなくて。

一緒の年越しは何度目だろう、と。

あいつの腕の中で、ぼんやり考えた。



そうだ、三度目だ。





ねぇ、起きてる?

一緒に年をまたいだのは、今年で三回目なんだよ。

私たち、三回も一緒に元旦を迎えているんだ。

そんなに、長い事私たち一緒にいるんだよ。




あいつは、私を引き寄せながら。




んー。

覚えてるに決まってるじゃん。

でも、最初の1回目は付き合っていなかったからカウントしないでもいいよー。



何て言いながら、頭を撫でてきた。

「初日の出、見れなくなっちゃうから寝ておきなよ」

って、付け加えて。

私のおでこに、唇をつけたまま、寝息を立てた。



いい年して、バカみたいだけど。

ホームシックにかかったみたい。



真っ暗な部屋の中。

あいつは隣にいて。

私の背中には、あいつの腕の暖かさも感じていて。

おでこには唇の感触もあるのに。



寂しくなって、涙が出た。



家に、帰りたい。



そんな風に、思い。

泣きながら、眠った。


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