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りりかの独り言。

2003年09月13日(土) 愚痴

元旦那は、愚痴を言う人じゃなかった。

あたしに仕事の愚痴を言っても分かってもらえないと思ったのか。

それとも、男が弱音を吐いてる姿を女に見られたくないと思ったのか。

または、愚痴なんかなかったのか・・・。


どれか分からないけど。

とにかく、言う人じゃなかった。

何度か聞いた事はあったけど。

ホントに数えるほどで。



あいつは、毎日のように言う。

仕事のことだけじゃなく。

自分の家族のことも、色々と。

「でさー。マジで嫌になっちゃうんだよねぇ」

なんて、すぐ言う。


あたしは。

愚痴、なのに。

素直に、楽しいって気分になって聞いている。



昨日。


「それで、昼間ちょっと自宅に帰ったら、姉ちゃんが寝てたのね」

「うん」

「里帰りって言ってもさ、甘え過ぎだって思うわけ。飯も作らなきゃ家事もしない、赤ちゃんの面倒はばあちゃんか母ちゃんが見てるんだよ?」

「産後はしばらく炊事とかだめとか言うしねぇ」

「俺もそれ聞いた事あるけど。でもそれは、昔の女の人は動きすぎだったから、産後位はゆっくりした方がいいって意味だったんじゃないの?姉ちゃんはゆっくりしすぎなんだよ!」

「まぁ、里帰りが終わったら、ちゃんと家事育児もしなきゃなんだから、いいじゃないの?」

「でもさー、こんなに楽していたら、帰ったら大変になるって俺言ったんだよ。昼間っから寝過ぎなんだよねー!そう言ったら、私はあんたの洗濯物干したんだからね!って言い返してきやがった」

「洗濯してくれているんだから、いいじゃん」

「でも、ホント干すだけなんだよ?たたむのは嫌い!とか言って、母ちゃんがやってるの。姉ちゃんの分もだよ?」

「そうなんだー。あたしはね、干すよりたたむほうが好き。だから、店のダスター(テーブルとか拭く布きんで、夜何十枚ものダスターを洗濯する)を一人でたたんでいるのとか、楽しいもん。たたんでいるときに、色々と考え事とかしちゃったりしてさ」

「そ、そっか・・・。考え事って?」

「あのね、明日は晴れるかなぁとか、今日は何食べようかなぁとか。どうでもいい事だらだらと」

「・・・楽しい?」

「すっごく!!!」



しばらく、あいつが黙った後。



「りりかって、不思議だわ・・・」

「何で?」

「何か、凄く腹立ってて、むかつきながら、姉ちゃんの話してたのに、俺今何だかほんわか楽しい気分になってる(笑)」

「えー?あたしの言ってる事ってばかっぽいのかなぁ?」

「俺にとっては癒し系なんじゃないの?」

「癒し系?」

「いつの間にか、和んじゃうもん。ありがとね」



何だか知らないけど、褒められた。



「男の愚痴とか、聞くの嫌じゃない?」

「嫌じゃない。楽しい。って言うか嬉しい、かな?あたしにそれだけ心を許してるって事かなぁ?って」

「許しているよ、確かにね」

「なんかね、嫌なこと、いい事、色々な話をしてくれるって嬉しい」

「やっぱ、不思議だよー。りりか、ありがとーって言いたい(笑)」



あなたがどんな人と今まで付き合ってきたのか知らないけど。

愚痴でも何でも、話を聞きたいって人はたくさんいるよ?

あたしが別に、特別不思議なわけじゃないでしょ?


それにね。


あなたが、愚痴を言って、あたしにも言える環境を作ってくれているから。

あたしは溜めずに、仕事の愚痴を言える。




だから。


ありがと、は、あたしも言いたいんだよ。


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