日付が変わったばかりの今日の夜中。
友達と地元の花火大会に行ってたあいつから電話。
時間を見たら2時半前。
随分ご機嫌で。
相当酔っ払い。
「りーりっかちゃん♪」
なんて、浮かれた声出して。
「こんな時間にごめんね、今帰ってる途中なんだ〜」
「そか、お疲れ様。明日朝から仕事でしょ、大丈夫?」
「うん、何とかなるでしょ〜」
何か、はぁはぁ息切れしてるし、たまに「うわっ」とか「あっぶね」とか言うし。
「ねぇ、平気なの?」
「うん、チャリで帰ってるところでさ、ふらふらしちゃう〜」
あいつの家の周りは田んぼばかりだから。
自転車に乗って、携帯片手に。
あの辺をふらふらしてるんだろうなぁとか。
田んぼに落ちなきゃいいけど・・・とか。
なんだか、目に浮かぶようで。
ちょっと笑いそうになってしまった。
「なら、明日仕事なんだから、電話切ってちゃんと自転車運転して早く帰って寝たほうがいいよ」
「何でだよ、今日出かける前にちょっと電話しただけだから、話したかったんだよー。帰ったらすぐ寝なきゃいけないから、てかすぐ寝ちゃうだろうし。だから、今が電話のチャンスなの!」
「無理にしてくれなくてもいいのに・・・」
「やだよ、俺がしたかったんだからいいじゃん」
結局家まで自転車で15分の道のりを。
あいつは、押しながら歩いて。
30分かけて、話していてくれた。
友達に。
「来年は彼女も連れて来いよ」
って言われたとか。
花火がどんだけ綺麗だったか、とか。
そして。
何度も。
「今日は楽しかった」
を、繰り返す。
あたしはそのたびに。
「よかったね」
って、言う。
あたしの知らない世界の中で。
楽しいって思っているあいつは。
なんだか、遠い人に感じた。
酔っ払って。
機嫌がいいから。
あたしがそんな事で。
ちょっとテンションが低いのとか。
気付くはずないよね。
面倒なやつで、ごめんね。
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