march forward.
りりかの独り言。

2003年08月09日(土) 今週半ば

仕事を休んでくる、とあいつは言ったけど。

だいたい、今回の妊娠の話を、あいつのご両親は知らない。

なんで休んで東京に行くんだ?手術?何で?

と、なるに決まってる。

そしたら、イチから全部話さなきゃならない。


話したくなかった。


元気に育っているなら、話せただろうけど。

「妊娠していましたが、育っていませんでした」

なんて言えるはずない。

言いたくも、ない。



「平気。何とかなるよ。病院には友達について来てもらうから」

あいつはその後も、色々言ってたけど、何とかこれで納得してもらった。


でも、友達に頼めることでもなく。

一人で行こうと思っていたんだけど。

病院側から、それはだめだと言われて。

妹に頼もうかと思ってた時。



元旦那から、こっちで仕事があるからそのついでで、長女の修学旅行のお土産を持って来ると電話があった。

「あたし、いないよ」

「何で?仕事?」

「病院」



全部、話した。


「だから、ひな(妹)に頼もうと思ってるの」



結局、妹は仕事がどうしても抜けられず。

病院は明日だし、参ったなぁって思ってた時。

また元旦那から電話。


「ひなちゃん、ついて来てくれるの?」

「うーん。仕事みたいね」

「なら、俺が行くから」

「いいよ、いいよ」

「だめだよ。誰か付き添いがいなきゃいけないんだろ?俺が行くって」





今、あたしと元旦那の間って。

友達。

そんな感じ。

離婚してから、普通に会話したり、愚痴を言いあったり出来るようになった。

不思議だ。

あたしは、元だんなの彼女の愚痴も聞くし。

あたしは・・・あいつの愚痴はさすがに言わないけど、仕事の愚痴はこぼすようになった。


結婚しているときは。

仕事での愚痴とか疲れたとか、そう言うの禁句だったのに。

ホント、不思議だ。



結局、そんな感じで付き添いは元旦那に頼んだ。

あいつに話したら。

もちろん、いい気分じゃないと言われ。

でも、仕方ないから、今回は譲る、と言われ。


「俺も時間に融通聞く仕事だったらなぁ」

「心配しないで」

「心配するに決まってるじゃん!」

「うん、ありがと」

「お礼言うところじゃないし」


明日の夜、電話するね。

と、言って前日の電話は終わった。





当日の手術前。

待合室で。

「悪いね」

「いやいや、お互い様でしょ」

「何がお互い様なのよ?」

「わっかんないけど」


なんて会話をし。


「あたし、三人子供産んだけど、パパは、三人とも生まれるときに病院にいた例がなかったね」

「あー。そうだったかも」

「かも。じゃないじゃん・・・」

「なんか、あれだな。不思議だな」

「あんまり、こういうのいないよね。離婚したのに、一緒に産婦人科って」

「いないいない(笑)」


なんて会話もし。



こんな時にでも、普通に会話出来るあたしは。

もしかしたら、頭がおかしいのかもしれない。


そんな風に思いつつ。

手術室に入った。








目が覚めたら、白い天井が見えた。

窓から、すごくいい天気の空が見えた。



夕方、元だんなは、帰った。




無性に。

独りぼっちになるような気がした。

思わず。

「もうちょっと一緒にいて欲しい」

と、言いそうになってしまった。





あとで、ものすごい罪悪感に襲われ。

あんな風に思ってしまったのは。

吐き気が辛かったせいだと。

自分に言い聞かせた。



あの人の優しさに、これ以上甘えたら。

だめだよ。

もう、終わった人なんだから。


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