march forward.
りりかの独り言。

2003年06月03日(火) まだゴールじゃない

すごい、前の事だった気がする。

一昨日のことなのに。



あんな早朝に日記をアップした事ってあったかな。

離婚前はあったかも。

あいつの部屋から帰ってきて、明け方にアップ、とか。

離婚後はなかったなぁ。きっと。





6月1日 日曜日


あいつがあたしの部屋に来たのが夜10時ちょっと前。

チャイムがなったけど、あたしが出なかったら、勝手にドア開けて入ってきた。

「カギ、開いてたよ」

って。

で、あたしの散乱した部屋見て「何やってるの?何があったの?」って言ってきた。

あたしはボーっとしながら「何でHがここにいるの?夢?」とか言った気がする。



最近会っていないから。

あたしを驚かせるために、突然来てくれたみたいだった。

一応店の方も覗いてみて、いなかったから家に来たらしい。




あたしはまた泣いて。

泣いちゃったせいで、うまく言えなかったけど、どうにか伝える事が出来た。

なんか、泣きながら責めてしまったりもした。


どうして、あたし、こんな事になったの?


誰かのせいにしたかったんだと思う。

あたし、泣きながら、責めてしまった。

あいつは。

「ごめん」

って、抱きしめながら何度も何度も言ってた。



仕事も、資格も、もういいや。

あたし、何もしたくない。



って、言った。

あいつは頷いて。

「じゃ、行こう、このまんま」

って、あたしの手を引っ張った。




引っ張られるままに、あたしはあいつの車に乗った。

「もういいよ、何もしなくていいよ」

あいつは、車の中で何度もそう言った。




真夜中の高速は。

何だか、綺麗だった。

点々、と明かりが見えて。

後ろに点々の明かりが飛んで行く。



あたしは、そんな外を眺めて。

ボーっとして。

あたしは何もかもから逃げ出す形になってしまった、と思った。

仕事も。資格も。

ちゃんと、やらなかったなぁって。

本当にそれでいいの?って。




高速のSAで止まって。

あいつがウーロン茶を買ってきてくれた。

あたしも外に出てみた。

空の、向こう側が。

ゆっくり明るくなってた。


「今何時?」

「今?4時前だね」



そか。

もう、朝になっちゃうんだね。







いつだったか。

あたしがあなたに。

マラソンしているみたいって、言った事あったよね。

もう走りたくないって。

あの時、あなたは「俺が一緒に走って、ゴールまで行くよ」って言ってくれたんだよね。

ゴールについたとき、あたしがあなたをまだ好きだったら。

結婚してくれないかって言ってくれたよね。


ねぇ。

今、ゴール?

結局、あたし棄権しちゃうんじゃん。

こんな風に、何もかもから逃げ出すように、あなたと一緒になって。

棄権しちゃうことになっちゃうんだね。





「りりか、もう充分苦しんでいるよ。もういいよ。ゴールでも何でもいいよ。一緒に、暮らそう」

今度は、あいつが泣きそうだった。

たぶん、ちょっと泣いてたと思う。

車の中で、余り見えなかったけど。



あたしは。

「子供があたしを選んでくれても、くれなくても、あなたと一緒になる」

と、先日言ったばかりだった。

言った。

言ったけど。

あたしの中では。

(あり得ないけど)子供があたしを選んでくれなくても。

と言う意味だった。

それ程、あたしは自身があったんだと思う。

愚かだと思う。

実際、こうしてあたしは子供たちと一緒に行く事は出来なくなり。

そうなると「あいつの所へ行っていいの?」なんて考えてしまう。



結局。

また引き返してもらって。

あたしは朝六時、帰宅した。

自分の、家に。


「もうちょっと、頑張ってみる」

って、あいつに言ったら。

「頑張りすぎだよ」

って言われた。




「今度、おかしくなったら。本当に連れて行くから」

やっぱり、泣きそうな声で、言われた。

あたしは何も言わないで、抱きついた。

いつもと、ちょっと違って。

息が苦しくて痛いくらいに、抱きしめ返された。

でも、その苦しさと痛みが、何だか心地よかった。



あたしは、もっともっと痛みを、苦しみを知ったほうがいいと。

このまんま、逃げるようにあいつと一緒になって、そんなんで掴んだ幸せの中に浸かってしまってはだめだ、と。


そう、思った。


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