こんな事、電話で言うものじゃなけどね。
分かってるけど、今すぐ会いに行くのは難しいから。
あたしの、こんな言い方で、あいつは悪い事想像したみたい。
「何?なんだよ、何??」
何度も何度も、不安そうに聞いてくる。
あたしは、ちょっと笑ってしまった。
「なんだと思うの?」
「今、りりかが笑ったと言う事は、悪い事じゃないかなと言う感じまでは分かった」
いろいろな話を、してきた。
この間、会ったときにも。
いろいろな話を聞き、あたしもして。
そのときには出なかった、あたしの決断を。
あいつは、今笑顔だろうなって声で聞いてくれた。
あたしは、あなたと一緒にいたい。
ずっと一緒にいたいから。
あたしは、あの時、あなたの手を取ったんだね。
悩んで、泣いて、分からないってばかり言ってきたけど。
ちゃんと決めてたのにね。
あいつは、あたしの言葉をずっと「うんうん」って優しく聞いてくれて。
「ごめんね、ころころ変わってしまって」ってあたしが謝っても。
「いいよー」って。
いろいろなこと、あなたとだから見えて。
これからも、あなたと見たいと思った。
同じ視線で、いろいろなものを。
だから、あたしと、一緒に。
ずっと一緒にいてください。
あなたは笑顔だったんだよね。
声で分かった。
「なんだか、りりかからプロポーズされてるみたいだよ」
「そうなのかもよ?」
「そうなの!?」
「内緒ー」
ずっと一緒にいよう。
あたしたちは、これからも。
そう、思った。
この先、何が待っているかなんて分からないけど。
「何か今、凄いりりかに会いたい」
そう言って、あなたは笑った。
次に会う時。
あなたは、笑顔で。
あたしを抱きしめてくれるんだろうなって、思ったよ。
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