彼女は33歳で既婚。
ご主人とは普通にうまく行ってる。
でも3歳年下の独身の彼がいて。
彼女が30歳の時に付き合い始めた。
彼の方は彼女と結婚したいとずっと言っていて。
でも、子供がいる彼女はそれは出来ないって言い続けて。
何より、ご主人のお給料がとっても良かったから、その経済力を捨て切れないって言うのが理由だった。
彼は、昼は普通の会社員で、夜は警備のバイトをして、子供と彼女を養っていくから、と言ったらしい。
でも、それでもやっぱり彼女は離婚なんか考えられなかった。
彼女がよく彼に言っていた言葉。
「あなたはあなたに合った人を早く見つけて結婚して、お互いが老人になるまで付き合っていこうよ」
彼女もやっぱり自分にだけ相手(ご主人)がいる事に罪悪感があったらしい。
彼に相手(奥さん)が出来たら、自分と同じ立場になれる。
そう思っていたらしい。
彼が、お見合いして結婚することになった。
彼女は悲しんだり、泣いたりするどころか。
とても喜んだ。
やっと彼の結婚したい攻撃や、罪悪感から解放されるんだ、って。
けど、彼に言われた。
「奥さんだけを大事にして行きたいから。もう付き合っていけない」
彼女は、その時初めて、泣いたらしい。
自分から、彼が離れていかないと言う自信があったんだと。
だけど、現実に彼が取った行動は当たり前なんだと。
今彼女は、ご主人とうまく生活している。
彼とつき合う前に戻っただけ。
そう自分にいい聞かせながら。
この話は、あたしの友達の友達の話し(ややこしい・・・)
あたしにこの話をしてくれた友達が。
「りりかも、もしもそうなったらどうする?あまりにも結婚渋ってて、彼が他の人と結婚することになったら、どうする?」
「りりかには、戻れる家庭もないし。どうする?」
って言ってた。
正直、考えられない。
あたしも、あいつが離れていかないって言う自身みたいのは、あるけど。
自信と言うより、愛されているからって言う自覚って言うか。
けど、もしそうなったら。
お見合いするって聞かされた時点で、あたしは泣いて騒ぐだろうし・・・。
この話を、あいつにもこの間アウトレットに行く途中でしてみた。
「ねぇ、それでお見合い相手と結婚して、前のあたしと立場が逆になって、あたしがいつも待つ身、みたいになってさ。Hはあたしと付き合い続ける?」
「いや、無理だな」
即答された・・・。
「俺はそんな器用じゃないし。その彼みたいに結婚したら、その結婚相手を大事にするよ。家族を大事にするから、りりかとは付き合えない」
もしも、の話なのに。
なんだか、本当に「付き合えない」って言われているみたいで。
軽く凹んだ。
軽く・・・じゃないかな。
泣きそうだったかも。
「そうだよね、Hはそういうタイプだよね」
って言いながら、外見て泣かないようにした。
「そんなもしもの話で凹まないの!」
あいつは、運転しながら笑って頭を撫でてくれた。
失ってから気付く。
そう、彼女は友達に言ったらしい。
そうなってからじゃ遅いんだよって。
あたしは、そう言う事多いから。
何だか身に染みた。
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