march forward.
りりかの独り言。

2003年05月04日(日) あいつの実家

朝(?)3時40分。

思い切り早起き。

気になっちゃって、眠れないって・・・。


支度しながら渋滞情報を聞く。

当たり前だけど、こんな時間だし混んでいなかった。




車に乗り込んで。

あいつに電話した。

「おっはよー。今出ます」

あいつはあたしが電話するちょっと前に起きたらしい。

「何時に起きたの?」

「3時半過ぎ・・・」

「おいおい・・・大丈夫か?眠くない??今5時でしょー。7時につくかな」

「頑張ります!」

「頑張らないでいいから!安全運転でね」



下道はちょっと混んでいたけど。

高速は順調に流れてた。

いつも行くのは夕方や夜が多いから、朝の明るい時間にここを通るのは新鮮な気がした。



高速降りてから。

ナビを見ながらいつもは来てたんだけど。

まだ3回目なのに、道は頭の中に入ってた。


通常2時間半かかるのに。

2時間弱で付けた。

家の前であいつに電話。

「ついたよ。どこに置けばいい?」

あいつが出てきて、運転を変わってくれて。

庭先に停める。


ドキドキが早くなって来てた。

あいつも。

「俺も緊張するよ・・・彼女紹介するなんて初めての事だし・・・」

2人して、玄関前で深呼吸。



まず、入ってすぐ横にあるおばあさんの部屋に通された。

「はじめまして!○○りりかです」

「ああ、あなたがりりかちゃんかい」

って言われて。

「いつも可愛い手紙送ってくる子だよねぇ」


凄く恥ずかしかった。


ちょっと話した後。

リビングに通される。

お母さんが、朝ごはんの片づけをしていた。

おはようございます、と名前を言った後。


「あの、先日は、車を置かせていただいたのに、ご挨拶もしないまま、すいませんでした・・・」

「ああー。誰のかなぁって最初分からなくてね。ちょうど盗難車がうちの山に放置されてた事件があったばっかりだったから。心配しちゃったのよー」

「いえ、本当に申し訳ありませんでした」

「そんなに堅苦しくならないでいですよー。あ、この間はお菓子、ありがとうございました。凄くおいしかったです」

「ありがとうございます。あの、今日はお口に合えば、とお茶を持ってきたんです」

「本当に気を使わないでくださいね。ちょっとばたばたしちゃってて、本当にごめんなさいね」



お父さんは仕事でもうすぐ戻るけど、って事でまだいなかった。

とくに込み入った話は出なかった。

お母さんも支度で忙しそうだったし。


なんだか。

いろいろ聞かれるだろうなぁって。

考えていたのに。


拍子抜けした気がした。


凄く優しそうなお母さんで。

あいつはお母さん似なんだな、と思った。

目の辺りとかそっくりで。


そんな事だけなのに、何だか嬉しかった。




あいつの部屋に案内されて。

凄く広くて、びっくりしたんだけど。

前に住んでいたワンルームのマンションの倍くらいの広さで。


でも。

なんだか。

凄く懐かしいものばかりで。


こっちにいる時にあったものばかりだから。

なんとなく、あの部屋に帰ってきたみたいな錯覚さえした。




「懐かしい」

去年。

付き合ったばかりのバレンタインにあげた、ミッキーとミニーの大きいぬいぐるみが入ってすぐの所に置いてあって。

そういえば。

あたしは、あのころ、あいつと2人であいつの部屋にいると。

なんかされるんじゃないかって、ドキドキしっぱなしで。

何もされないように、ミニーのぬいぐるみをいつも抱えてたっけ。

あいつは。

「なんで、ぬいぐるみばっかり抱きしめてるんですかー(笑)」

って、笑ってたっけ。

あたし。


まさか5歳も下の子の部屋に来て、しかも子もちの主婦のくせに。

何かされるんじゃないかって怯えてるから。

なんて言えなくて。

「可愛いんだもん、いいじゃん」

とか、言ってた気がする。




6月の誕生日にあげた、壁掛け時計もちゃんとあって。

なんだか、見覚えのあるものばっかりで。

初めて来たと言う感じが全然しなかった。



あいつのベットの枕元に掛けてあるコルクボードに。

葛西の観覧車に行った時の写真が飾ってあって。

「りりかの顔を見ながら電話してるんだよ」

って、あいつが言ってた言葉とか思い出した。



ここで、いろいろな事考えながら、生活しているんだなぁって。

何か思った。




お父さんが帰ってきて、あたしたちは下に降りた。

「いらっしゃい」

お父さんは笑顔で迎えてくれて。

なんだか、凄くホッとした。





「道が混む前に出たいから」

って、あいつが言って。

あたしはあいつの車に乗る。

乗り込む前にお母さんが。

「今度はゆっくり来てちょうだいね」

って言って。

それが社交辞令だとしても、嬉しかった。

嬉しくて。

「はい!是非お邪魔させてください!」

って、気合入れて返事しちゃったほど。






あいつが連れて行ってくれたのは。

山の上。

天気がよかったから、暑くて。

車で上まで行って、停めて。



下を見下ろしたとき、凄く綺麗で驚いた。

夜景とか、キラキラしているのは綺麗な事はもちろんだけど。

こう言う緑ばっかりの場所も綺麗なんだなぁって。

しかも、桜がまだ咲いてて。


「りりか、桜好きじゃん?だから、この場所連れてきたかったんだよー」

って、笑って言われる。


「綺麗だね」

「うん、だろー?田舎も捨てたもんじゃないだろ?(笑)」

「うん、すごいよ」


あいつが持って来たチェキでいっぱい写真を撮った。

2人で笑いながら、たくさん話した。


話している途中で。

「りりか、ありがとね」

って言われて。

「何で?」

って聞いたら。

「うちに来てくれて」

って言われた。



全然ちゃんと話もできなかったし。

なにもしてないんだけどね。

でも、あいつが喜んでくれて、よかった。

何で喜んでいるんだろう?って思ってたけど。

その理由は、あたしが帰ってからメールで分かった。


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りりか [MAIL]

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