あたしと同じ干支。
一回り違う、バイト君。
12歳も下の、バイト、T。
この子が入ってきたとき、あたしはものすごく怒鳴ってばっかりいた。
て言うか、同じ時期にあいつ(H)も入ってきていて。
かなり、イライラさせられてたから。
マイペースで、自分勝手なあいつと逆の。
とても素直で、いい子なんだけど。
動きが鈍いTを、よく怒鳴ってしまった。
当たってたわけじゃないんだけど・・・今考えると当たってたのかも・・・。
彼はあたしが怖いあまりに、辞めようかと何度も悩んだと言う・・・。
あたしは、H曰く。
「りりかは女には甘い」
らしい。
確かに、そうかも。
女の子は、怒ると泣く場合があるから、なかなか怒れない。
たとえば。
同じレベルで仕事が出来る男女がいたら。
あたしは女の子の方ばかり褒めると言う。
そんなこと・・・あるかも。
脱線したけど。
そんな一回りも下のTは、「僕はりりかさんの弟です!(笑)」とあたしになついて来るようになった。
それはそれは、あいつが嫉妬するくらい(笑)
あたしがあいつと離れて、悲しんでいるんだろうなぁって、よく電話して来てくれたり。
本当に、マメにいろいろ気を使ってくれる。
いい弟だなぁと、あたしも思う。
そんなTが。
「りりかさんを元気付ける詞を書いたんです」
将来作詞家になりたいなぁってよく話すT。
あたしが遠距離になってから、よくこうして詞を書いてくれるようになった。
(あいつは「気持ち悪い!」とか半分嫉妬で言うんだけどね・・・)
下がその詞。
(無題)
このまま時が止まってくれれば 君は帰らずに済むのに 私から笑顔奪って 無情に時間は過ぎてく
帰路につく君を見送り その背中見えなくなった時涙こぼした
今こんな風に泣いてる事も いつか思い出として笑い合える日 来るのかな? 問い掛けても鏡のなかの私は答えてくれない…
ずっと強いと思ってた 一人でも辿り着けると思ってた けれど見通しが悪すぎるこの道に 希望薄れ そっと立ち止まる
出会う前に戻れれば そう思う時がある でも戻ってしまったら今の自分はいないんだ そんな当たり前の事に今さら気付く
そして同時にこの道 一人で歩いているわけじゃないとも気付いた
今こう思えるのも君のおかげなんだ 思い出に変えてくれる 変えていける ふと見た鏡の中の自分は笑っていた
本当は弱かったんだね それでも一人じゃないって気付いたから 支えてくれる人達と一緒に また歩きだす…
何を焦ってたんだろう? 何に怯えてたんだろう?
この道は君まで辿り着く事に意味があるのに そんなこと忘れて泣いてたんだね もう歩き方になんてこだわらない カッコ悪くたって 笑われたって ただひたすら前だけ見ることにしたよ
なんだか、嬉しかった。
照れくさいけど。
よく観察されているんだなぁって。
つくづく思う。
こうやって、あたしは。
いいやつばかりに囲まれているんだなぁって。
みんなに助けられているんだなぁって。
凄く思う。
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