march forward.
りりかの独り言。

2003年03月07日(金) 昼間のデート

(昨日の続きです)



学校を後にしたあたしたちは。

それはそれは浮かれて。

何度も何度も、「卒業合格」の文字を読んで、二人で笑って。

あいつは、実家やお父さんに電話をして。

あたしも、ここまで全部をしってる友達(Mさん)や妹にメールして。



みんなが「よかったね」と言ってくれた。



車で、ブラブラ走って。

ちょっと遠いけど、車を走らせてあいつの行きたがっていた場所に行く。

ある施設の見学なんだけど。



あたし、笑ってばかりいた気がする。

嬉しくて嬉しくて。

見学コースの説明とか、全く聞いてなかった気がする。

それでも、楽しくて。

何でも、楽しくて。

繋いでいる手を、まじまじ見つめちゃったり。

説明を熱心に聞く、あいつをじっと見ちゃったり。


今日はいい事ばっかりだ。

なんて思ったりして。




夕方、妹と合流して、夕食。

あいつは、9時くらいには出るって言うから。

6時に待ち合わせして、2時間くらい、3人で夕飯しながらおしゃべりする。

この3人で集まるのも、久しぶり。

1ヶ月ぶりくらいかな。


妹にも「おめでと、よかったね」って言われて。

あいつも「ありがとうございます」って満面の笑み。




何か、妹が携帯をいじってて。

その間、あたしはあいつと話してたんだけど、あいつにもメールが届いたようで。

2人とも携帯をいじっているから、つまらなくて。

あたしは、「つまんなーい。あたしも誰かにメールしようかな」とかいって携帯を出したりして。




そしたら、あいつが携帯を見せてきた。

「ほら」

って、見せるから「なによー」ってちょっとふてくされた振りとかしてみた。

受信は全部妹。

「は?」

「だって、ひなちゃんからりりかの写真が送られてきたんだもん♪」

いつ撮ったやつよ??って見たら、たった今。

全く撮られてるの気づかなかった・・・。


「何で写真なんか撮るのよ・・・」

「だって、りりかちゃん、ニヤニヤしてばっかりいるんだもん♪」




あたしが、つまらないって言うから、面白がって二人でメールをしてたらしい・・・。

遊ばれてるなぁ。五歳下の二人に。




「私は、そろそろ帰るから、後は残った時間を二人でゆっくり使ってね♪」

妹が気を利かせる。

あたしは、恥ずかしさの余り。

「昼間ずっと一緒にいたんだし、いいよぉ」

って言ってるんだけど、あいつは普通にニヤニヤしてるだけだし・・・。

妹はさっさと帰って行ってしまった。



「俺たちも出るか」

「んー。だねー」


お会計の時。

「今日は卒業祝いって事で、あたしが出すね」

って言った。

あいつは。

「いいよー、卒業祝いはさー・・・」

とかなんとか、言ってたけど(詳しい話しは、明日の分で書きます)、押し切ってあたしが払った。

払った時「これでチャラになったと思わないでね」とあいつに言われたけど・・・。



あたしの車に乗る。

「ホントに、よかったね」

あたしが言う。

「うん、よかったよー。高卒になるか大卒になるかの違いは大きいからねぇ」

確かに。

しかも、彼の場合は5年も通っているんだし、出来なきゃ・・・ねぇ。





あたしたちが外で会うときは、雨って言う日がなくて。

今日も曇りだったんだけど、雨が降り始めてた。

今日は、ものすごく寒くて。





「もうすぐ、行かなきゃ?」

「うん、向こうは雪が降ってるかもしれないしね」

「そか・・・。次は、卒業式の日だね・・・」

「ん。そうだなー」

「あたしも、来週は休み無しで忙しいから、ちょうどよかったよ、気が紛れるよ」

「うん。がんばろうね。お互いにね」




あいつは、いつもこうやって。

「頑張ろう」

って言ってくれて。

あたしは、その言葉が、凄く安心出来て。

「一緒に、頑張ろう」

何度も何度も、いつも言ってくれてるよね。

そう、頑張るのは、あたしだけじゃない。

あなたも、一緒に頑張ってくれてる。

そう思えるから、あたしは、その言葉が好きで。

いつの間にかね。

仕事場でも「ほら、頑張ろうよ!」って言えるようになったよ、自然に。




初めて、頑張ろうって言ってくれたのは、あたしの生理が来なくなって、病院に通っているときかな。

頑張ろうって、言ってくれたんだよね。






俺は、楽しい事を提案したり、話を聞いたり、愚痴を聞いたりしか出来ないけど、少しでも力になれるように頑張る。

だから、りりかさんも頑張ろう。






どれだけ、あたしが救われたか。

一人で、頑張らないでいいって。

どれだけ、楽になれたか、分からないよ。




「雨、強くなってきたね」

「うん、俺もそろそろ行くよ」

「うん・・・」

あたし、寂しい顔しちゃったかな。

分からないけど。

珍しく、あいつが口じゃなくて、おでこにキスをして来た。



「りりか、大丈夫だよ」

頭を撫でられる。



何が、大丈夫なの?



聞こうと思ったけど、やめた。

寂しいかもしれないけど、俺はりりかだけだから、大丈夫だよ。

そんな意味あいだと思うから。



だから、頷いてみる。






帰り際、寂しくなるのは仕方ないけど。

今日は一日とっても楽しかったし、嬉しかったから。

よしと、しよっか。



「気を付けてね」

笑顔で頷いて、あいつは走って自分の車に乗った。








それから2時間半後。

「今ついたよ。雪が降ってるよー」

ってメールが来た。


こっちは雨のまま。

やっぱり、たった二時間半の距離でも、違うんだなぁって。



しんみり思ったよ。


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