ふとした事から、喧嘩になった。
今日は朝から夜中まで仕事。
夜九時の休憩で、電話をした。
「疲れた・・・10時間は立ちっぱなし、と言うか歩きっぱなし・・・疲れた」
「お疲れさま。大丈夫?」
「大丈夫じゃない・・・疲れたー」
そのあと、バイト仲間の話し。
あいつがここでバイトしてるときに最初お気に入りだった、Rちゃんの話し。
Rちゃんの彼はあたしより五歳上のバツイチの人。
その人と喧嘩して、別れるって言う話しになったんだって。
相手のバツイチの人は、あたしとは異性の関係を超えての親友。
だから、RちゃんもRちゃんの彼もあたしにはいろいろ相談して来てて。
そのRちゃんの彼が、あたしに。
「俺ー、Rと別れるの、惜しい気がするんだ・・・あ、て言うか失いたくないんだよ」
って言った。
あたしはそのときは聞き流した。
あとで考えて見たら。
「惜しい?」
って、何?
どういう意味で、「惜しい」って言う言葉を使ったの?
「でね、その惜しいって言う言葉について、どう言う意味なんだろう?ってあたしは思っちゃって。今更聞き返せないけど。どう思う?」
あたしは、あいつに聞いてみた。
「そりゃ、あれだ。あの人くらいに年行ってて、しかも10歳年下の子と付き合えるチャンスはもうほとんどないだろ。そりゃ惜しいよ」
「でも、年相応の人とだったら、あの人なら付き合うチャンスはあると思うよ?」
「馬鹿だなー。男って若いのがいいじゃん?若けりゃ若い方がいいんじゃない?」
「えぇー。若けりゃって中学生とかもアリなの?」
「そこまではいかなくてもさー・・・。でも、23歳の若い子と付き合うチャンスはもうないかもねー」
「てか。若いのがやっぱりいい物なの?」
「そりゃ、肌の質とかも変わってくるからねー」
「肌の質?」
「うん、あと胸のハリとか。全然違うでしょ。小さくてもハリがあったりするんだよ、若いと」
「・・・」
「弾力性があるって言うかー」
「・・・」
「20代前半と後半、三十代、って変わってきちゃうものなんだよ」
「・・・」
「聞いてる?」
「聞きたくない」
ここで、しまった!とあいつが思ったらしく。
「一般論だよ?一般論!俺の意見とかじゃなくてね。ほら、俺の場合は気持ちが最優先だから」
「何、気持ちが最優先って・・・?」
「俺の場合は、りりかの胸だから、大きかろうが小さかろうが、関係ないって事!りりかだから、いいの。分かるかなー?」
「全く分かりません!!!・・・あたし、Hなら胸触られても、全くOKじゃないけど、すっごく嫌!ではなくなってたんだ・・・でも、今はやっぱり嫌かも」
「だーかーらー!ね、りりかは気にしすぎ。いいの、関係ないの。りりかだからOKなんだから。ねー」
「やだ。触らないで欲しい」
「・・・。何で?俺だから触らせてもいいかなって、俺は特例だったわけでしょ?いきなり、だめになるわけ?」
「だって、若い子みたいにハリが無いどころか、胸がないもん!て言うかあたし、Rちゃんの年齢の時にはライラ産んでたし、もうハリも何もなかったもん!!!!」
「俺がそれでもいいって、関係ないよ、触りたいんだよ?って言っても?」
「うん、やだ」
「・・・。なら、今後は胸を触らせないんだ?エッチも何もしないんだ?決定なんだ?」
「うん、決定だね。何もしない」
「分かりました」
ピッ。
電話を切られた・・・。
一緒に休憩取って、一部始終聞いてた仲よしのMさんに「あたし間違ってる???」って半切れで聞いちゃった。
「いや・・・どっちも間違ってるような、間違ってないような」
Mさんは苦笑してた・・・。
「て言うか、お前ら子供ー(笑)」
とまで言われる。
うん、確かに。
でもホントに。
胸の話しだけは、あたしはだめ。
胸のせいで、幻滅されちゃうんじゃないか、とか。
他に胸が大きい人がいたら、そっちがよくなっちゃうんじゃないかとか。
前から考えてた事。
前から不安だった事。
でもさ。
今回のは、あたしもいちいちしつこく突っ込みすぎたかなぁって。
ちょっと反省した。
しかも今は、会えないんだから。
長引かせたら、だめだよ。
悪化しちゃう。
前までは、喧嘩してもすぐ会えてたから、仲直りできた部分もあったんだから。
別れたりするの、いやでしょ?
こんな事で、別れたりするわけはないんだけど・・・。
でもやっぱり、不安になっちゃって。
折り返し電話をかける。
・・・出ない。
何、こいつ!!!!
って、あたしは反省した気持ちはどこへやら、新たに怒り爆発。
そのまま、仕事に戻る。
仕事に没頭して、勤務時間は終わって。
後は事務処理だ、と思って店長室にこもっていたら。
店の電話が鳴った。
「はい毎度ありがとうございます。○○店です」
「○○さん(あたしの苗字)いますか?」
「あ、私ですが」
「知ってます」
「は・・・?」
「俺だよ、バーカ」
何、こいつ!!!!
声変えてんじゃん!!!
「何よ。電話でなかったくせに」
「トイレ行ってたんだよ。生理現象だろー」
「携帯持っていきなよ」
「何でだよ、トイレに携帯かよ!!??・・・ね、今の三村突っ込みぽくない?」
「古いよ・・・」
とか言いながら、笑ってしまう自分が嫌・・・。
「りりか、撤回して。胸触らせないとか、そう言うの、全部撤回して」
「・・・。ね、やっぱり胸が大きいほうがいいの?」
「そんなのどうでもいい。りりかがいい」
「ならさ。あたしが二人いて、大きいのと小さいのと二人いたら?」
「りりかと顔も体も性格も、全く同じ人間だったら、大きいのだろ、そりゃ。でも、一ミリでも違っていたら、やだ。りりかがいい」
「ふーん・・・」
「もー!分かってるの?りりかじゃなきゃだめなんだよ!って言ってるんだよ?俺はりりかが嫌いなその胸も、大好きなの!俺は大好きなんだから!!それでいいんじゃないの??」
「ああ、そう言うこと、去年の今頃かな?言われた覚えがある」
「あ、今俺もこういう事言った覚えがあるな、と思ってた(笑)」
「うん、覚えてる・・・少し自分の胸が気にならなくなった日だ。・・・意地悪言ってごめん」
「うん。大丈夫、俺は絶対に嫌いにならない自信あるから!気にするな!」
その後は、あたしは店のパソコンをいじりながら、普通に会話してた。
「さっき、電話切った後、むかついた気持ちといろいろなこと、メールに打ったりしたんだけど」
「うん?」
「けど、俺からメールするのも癪だ!こうなったら、明日のおはようメールもしないからな!とか考えてた(笑)」
「へー。で、あたしがそれでもメールも電話もしてこなかったら?」
「そしたら・・・。明日の昼休みに、何で連絡して来ないんだよ!?って切れながらメールしてたはず・・・」
「結局するんじゃん」
「うん、そう(笑)」
「バカっぽーい」
「うるさい!!」
明日も早い、あいつとは電話を切って。
あたしも残りの雑用を片付けて。
午前2時。
やっと帰宅した。
すぐに仲直り出来たけど。
したくないよね、やっぱ。
仕事と今日一日起きたいろいろな事。
考えながら、眠りについた。
あたしの見た夢は。
なぜか。
Rちゃんにあいつがよしよししている夢。
この夢見るのは二回目。
寝起きに不安になって、凄くあいつに会いたくてたまらなくなる。
「またRちゃんによしよししてる夢見ちゃったよー・・・やだーもう!」
て、メールしようかな、って思ったけど。
また言われちゃうかなぁ?
「りりかの夢まで、責任持てませんて(笑)」
しかも、すげー嬉しそうなんだよね、そういう風に言われる事が!
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