2003年01月21日(火) |
幸せにしてくれますか? |
仕事終わってから、夜。
結局あいつの部屋に遊びに行って。
二人でたくさん話して。くっついて。
こいつが好きだなぁって、思う。
「りりか、愛してる」
「あたしも同じだよ」
「ちゃんと言葉で言って」
「あたしも、愛してるよ」
あたしがこう言うと、あなたはいつも、頭を撫でて照れを隠すね。
一年前。
まだ、あたしたちは始まってなくて。
始まる寸前だったのかな・・?
あたしを後ろから抱きしめたと思ったら。
いきなり。
去年の今頃の話を、あいつがしだした。
覚えてる?
付き合うまでの前数日間。
夜中、仕事終わってから二人でよく話してたね。
車の中で。
なんか、照れちゃって、俺。
嬉しいのもあったんだけど。
ドキドキしちゃっているの、伝わらないかなぁって思ったりした。
店の駐車場で。
路上で。
ファミレスの駐車場もあったねぇ。
何を話してたんだろう?って位に、ドキドキしちゃってて記憶がないんだけど。
いつも、こうやって。
触れてみたいって思ってたよ。
りりかに。
触れてみたいなぁって、ずっと思ってた。
手が届かない存在だなぁって、思ってた。
憧れだけで、終わっちゃうのかなぁって、思ってた。
ほら。
俺って、凄くりりかに子供扱いされてたじゃない?
りりかの口癖が「お姉さんは悲しいよ」とか「お姉さんは嬉しいよ」だったじゃん?
その「お姉さん」って言葉が、越えちゃいけないって壁を作られてるんだろうなぁって思ったんだよ。
やろうとしたら、こうやって抱きしめる事なんか簡単だったじゃん?
あんな狭い空間の中なんだから。
手を握ることくらいはせめて出来たじゃん?
でも、俺さ。
それ越えちゃったら、きっともう憧れって気持ちも捨てなきゃいけなくなるんだろうなって思ったんだよ。
今は。
こうやって触れられる。
夢の中の、妄想の中のりりかじゃなく。
体温をちゃんと感じられるりりかがいる。
それって、凄い幸せなんだよね。
俺にとっては。
そうやって、俺たちは、俺たちなりに時間を作ってきたじゃん?
いろいろな事がありまくった一年だけど。
でも。
俺思う。
今までが幸せじゃなく、もしかしてちょっと先も幸せじゃなかったとしても。
死ぬ間際に「幸せだったな」って思えればいいって。
ちょっとのことなんだよ。
これからなんだと思うよ。
りりかがそう思いながら、最期を迎えて行けるように。
俺は頑張るね。
やるだけやる。
だから。
ずっと、触れさせていてください。
てか。
俺しかいないでしょ!
りりかみたいに、感受性豊かな子、ずっと大事に出来るのは!
あたしは、涙ぐんじゃって。
声出したら、泣くな、と思って。
黙ってて。
「泣かないのー。りりかが泣くと、俺、あたふたしちゃうんだから!」
言いたい言葉は、たくさんあるのに。
肯くだけで精一杯。
肯いたと同時に。
涙も出ちゃったけど。
「あたしを、幸せにしてくれますか?」
そう言えた。
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