march forward.
りりかの独り言。

2003年01月17日(金) 信じられない

今日は、会う約束してて。

でも、仕事が長くなってしまって、約束より遅くなっちゃって。



ホントは、あいつの家で最後に手料理食べたいって言われてて、作る予定だったんだけど。

「こんな時間じゃ、もう買い物行って作って食べるころには10時過ぎちゃうからいいよ」

「ごめん・・・」

「いいよ、いいよ。遅くなるって連絡もらったから、俺が焼きそば作ろうと思って、材料買ってきたから。食べる?」

「うーん、余りおなか空いてないけど・・・。Hは?」

「俺は夕方ちょっと前に食ったから、減ってないかな」

「なら、まだいいかなー。ありがとね」


ほら。

素直に、ありがとうも出ちゃう。







「飲む?」

あいつがワインを出した。

「うん」

二人で飲む。

なんだかね、飲んでも酔えなかったりする。



あたしが、ボーっとテレビ見てたら。

いつもみたいに、あたしの後ろに座る。

ドキッとする。

なんでだろう・・・。

すごく、ドキッとする。

いつもみたいに、頭をなでてきて。

後ろから抱きしめられたりするんだけど。

あたしは、悲しくなってしまう。




「本当に、あたしが好きだから、こうするの?今だけ?ここにいる間だけのためにこうするの?」




そんな風に、勘ぐってしまう。

でもね、もしそう思うなら、それでいいよ、って思ったりもする。

あなたが、優しすぎて、あたしにそう言えないのであれば。

あたしから言おうか?

「今月いっぱいで、終わりにしよっか」

て、言おうか?

でも・・・。

それは、逃げている事に値する。

あたしが、こうして一緒にいる事が苦しいから。

だから、逃げたいのかもしれない。

何より。

先に別れを切り出したいのかもしれない。

言われる辛さは、嫌って言うほど分かったから。


そんなあたしの変化を気づいたのかなぁ。



「ごめんね、この間は」

「んー?」

「いっぱい、泣かせちゃったし。嫌な事言っちゃったし」

「うん・・・あたしが悪いんだしね」

「ほんと、ごめんね」


こんな言葉だけで、あたしは胸を捕まれたみたいに、悲しくなってしまう。

ごめんね、って言葉を。

うまく信じられない。

「大好き」

そういう気持ちが、薄れていっているのかなぁ。

とか、思ってしまう。



きっと、自分が好きだったら。

自分も大好きだったら。

相手が言う「好き」も信じられると思うんだ。

だけど、ちゃんと思ってないから。

信じられなくなっちゃったのかなぁ。





「今月いっぱいにしよっか」

「何が?」

突然、あたしは言う。

「あたしたちが付き合っているの、今月で終わりにしようか?」

「何言ってるの・・?」

「そう思ったのかと思った」

「は?」

「違うな。そう思ってるのかと、思ってる」

「思ってる?誰が?俺が?」

「うん、そう」

「ばかじゃねーの?」

「信じ切れなくなってるの。前みたいにね。愛されている自信とかないの」



あの、「お別れ」って言ったときの、あなたの表情・声・動作。

そういうのが、引っかかる。

消えない。

あれは、単にふてくされてた、とかじゃなかったから。

本気で、そう思ってた顔だったよ、声だったよ。




「もう、ほんとに・・・ごめん」

ぎゅって、抱きしめられる。

「そんな風にいわないでよ・・・本当に」

「あたしが、ついて行けない人で、ごめんね。だから、勝手にそうやって勘ぐっちゃうんだね・・・」

「そういうので、あの時別れようって言った訳じゃないよ」

「うん・・・」

「今は、元通りにりりかが好きだし。愛しているし。一生、一緒にいたいと思ってるよ・・・」





昨日。

友達に言われた。

「一瞬でもりりかの手を離そうとした人間だよ?その人はまた離すかもしれないって思いながら、掴んでいくの?」





そう。

一瞬でも、離した人。

だからか。

あたしが、今。

この人の言葉を心から信じられなくなっているのは。


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