march forward.
りりかの独り言。

2003年01月15日(水) 写真

(昨日の続きです)

あたしは。

「分かった」

って、言った。

言った途端。

いっぱい、泣いちゃった。

酔っていたせいもあるんだけど。

大泣きしちゃって。



今の気持ち。

一生懸命伝えようとするんだけど、嗚咽でなかなか言葉にならなくて。



あいつは、そんなあたしを、ボーっと見てた。

いつもみたいに、よしよしなんか、もちろんしない。



何か、泣きまくったら、落ち着いてきて。

あたしは「帰るね」って言った。

なんだか、ここにいるのが、辛くなってきて。



でも、車のカギがなくて。

カバンも、ポケットも探してもなくて。

まさか、つけっぱなし?って思って、玄関に行ったら、靴もない・・・。

「ねぇ・・・。靴がない」

あいつは黙ったまま。

で、ぴーんと来て。

「カギも、H?」

それでも黙ったまま。

「返して。帰るから」

「無理。酔ってるじゃん」

「もう平気」

「平気って思って、去年の今頃、事故ったやつがここにいるじゃん」

「あたしは、平気!いいから返して!」

「返さないって」



返して。返さない。

この繰り返しになって。

あたしも、諦めて、座った。



「事故起こしても関係ないんじゃない?別れた人間なんだから」

嫌味をいいながら涙が出そうだった。

「嫌いで別れるわけじゃないしね。それに、うちから帰る途中で事故起こされたら、気分的に嫌じゃん」

「嫌いじゃないって、冷めたって言うのは、好きじゃないって事だよ?」

「いいから、酔いを醒ましてよ」



なんだか、その後はだらだら話してた。

「なんで歌って、なんていきなり言い出したの?」

「だって・・・」


クリスマスの数日前。

この歌詞の事で、こんな会話したじゃん。

って、話をした。

「だから、歌って欲しかったの。そばにいてくれなくなっちゃうけど。でも、この曲聞いて思い出して頑張ろうかなって思ったの」

泣くの我慢しながら。

一生懸命、あたしにしては、一生懸命言った。





「そういうこと。ちゃんと言ってくれなきゃ、分からないよね・・・」

頭をなでられた。

なんだか、びっくりして。

あたしは、あいつを見た。

あいつ、泣いてた。

何で?って思った。



「りりかが。わざとやってるのかと思ってた。わざと、俺に嫌われるように、最近わがままばっかり言うのかと思った。そう考えたら、なんだよ、それ!って思っちゃって」

「わざとは、わざとだと思う・・・。あたし、わがままいっぱい言って。それ聞いてくれるから、嬉しくて。つけ上がって・・・。愛されているから、わがままをいっぱい言っても平気なんだなぁって、勝手に思ったりして」

「寂しいって気持ちとか、そう言うのきちんと言おうよ。分かってあげられないよ」

「ごめんなさい・・・」



あいつに抱きしめられたら。

泣くの、我慢してた気持ちとかが。

一気に噴出しちゃって。

あとは、泣いて泣いて泣いて・・・謝って。




「りりかがそう言う風に思ってるって事聞いたら。俺のコンプレックスだとか、なんだとか、そういう風に言うの、どうでもいい事のような感じがしてくるなぁ」




あたしは、首を振った。

どうでもよくなんかないよ、って意味で。




「りりかぁ。ごめんね・・・」

「あたしも、ごめんね」




仲直り、したのかなぁ。

帰りはいつもどおり送ってくれたし・・・。







で、朝方帰ってきて、ちょっとだけ寝て。

起きたらあいつから着信あり、になってて。

折り返し電話したら。

「ねぇ。りりか、今日は夕方まで何もないでしょ?一緒に携帯買いに行こうよ!」

「へ?」

「カメラつきにしようよ。するって言ってたじゃん?ね。今から迎えに行くから」

「今からぁ?あたし今起きたの」

「なら、洗車してから行くわ。りりかも用意しておいて」

「あー・・・うん。分かりました」





30分位して、迎えに来た。

「買いに行く前に、ひなちゃんのとこで飯食おうよ。腹減ったし」

いつもどおりのような。

そうじゃないような・・・。

昨日の話は、どうなったの?

って、思ったりして。




妹の所で昼ごはんを食べて。

食べてるとき、あいつが言った。

「昨日は、本当にごめんね。なんだかね、ふてくされちゃったんだよね・・・。下手なの分かってて何度も歌わせてーとか思ったりしちゃって。それで、むかつくって気持ちが冷めたって思ったりしちゃって。俺って、考えたらすぐに言葉に出しちゃうから・・・。ごめんね・・・」

「ううん・・・。あたしもわがままだったし。最近、特に」

「いや、りりかはわがままでOKだよ、うん」

「それじゃ、だめだよー。わがままばっかり言ってたら、やっぱりだめだと思うもん・・・」

あいつは、何も言わないで、よしよししてくれただけ。



その後。一緒に携帯を買いに行く。

機種変更している間、二人でブラブラ電気屋さんを覗く。

「パソコン買わなきゃー。りりかと今以上に連絡取らなきゃいけないし。でも、メールだけのためにパソコン買うのもなんだから、安いやつでいいかなぁ」

「あ、ねぇねぇ、こう言うコンポ欲しいんだよねぇ」

「俺の部屋にこう言うのあるんだよー」


いつも以上におしゃべりなあいつ。

あたしの手を引っ張って、いろいろ話しながら見てる。





そんなのが、急に不安になる。

一昨日までのあいつと、ちょっと違う気がして。

携帯も、急に買おうなんて言い出して。

今まではあたしが欲しいって言っても、「まだ前変えてから10ヶ月たってないんだし、必要ないって」とか言ってたのに。

なんだか・・・。

なんだか、焦っているような感じ。

何を、焦っているの・・・?

いつもと同じだよ、と言われたら、そう思えるし。

そりゃ、喧嘩の後だもん。ちょっとは違うかも。と言われたらそう思えるし。



「短い時間の中で、焦っていろいろな思い出を作りたがっているのかもしれない。」

と考えたら、そう思えてしまうし。



あたし?

あたしは、ものすごく素直だったりする。

嬉しい。楽しい。

そう言うの、凄く素直に出せて。

ただ。

何かいつもと違う?って言う不安とか。

昨日の、真剣な顔しながら「りりか。お別れで」と言ったあいつを思い出すと、胸が苦しくなって。

もしかしたら。

あたしがあんなに泣いたから。

あいつは折れちゃったんじゃないか、折れてくれたんじゃないかとか。

そう言う事は、言えなくて。

いつもみたいに、気軽に言いたい事とか言えなくて・・・。



あたしは、バカみたいに微笑んでいるばっかりだった。





携帯が出来上がって、あいつが「まず二人で撮ろうよ!」って言って車の中で撮った。

その写真のあたしは、どう見てもちゃんとに笑えてなくて。

寂しい、笑い方で。

「このりりか、いつもより可愛くない!」ってあいつが茶化してきても。

いつもみたいに「うるさいなー」とか言えなかった。

「うん・・・可愛くないよね・・」

とか、言っちゃった。

「もう一度、ちゃんと撮らせて!」

って言われて、何か辛くて。

「ここ暗いから、今度明るい場所で撮らない?」

って言ったら、「そうだねー」って言われて。




帰ってきた。

帰ってきたら、この日記を通してお友達になった方から、プレゼントが届いてて。

あけたら、写真立てと入浴剤。

きっと。

彼の写真とか、子供の写真とか、入れてね、って送ってくれたんだろうなぁって。


でも、ね。

あたし、笑えなくて・・・。

写真撮れないんだ、ちゃんと。

だから、もう少し、箱の中で眠らせてね・・・。



でも、嬉しかったです。

ありがとう。


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