2003年01月01日(水) |
あたしの恥ずかしい部分 |
あいつの。
あたしが大好きなあいつの胸の上で、心臓の鼓動を聞きながら寝た。
あたしがあいつの胸に頭乗せて、そのまんましばらく会話してた。
「それでね、こんな事があって・・・」
「・・・」
「でね、びっくりしちゃったー・・・」
「・・・」
「?聞いてる?」
「・・・」
頭あげて見たら、寝てるんだもん。
あたしの頭触りながら。
でもね。
すごく、ほんわかした。
あたしは、そのまんま胸に頭乗せたまま。
重かったらごめんね。って心の中で言って。
寝ちゃった。
気がついたら、あいつに髪の毛触られてて。
いつの間にかちゃんと枕に頭乗せて寝てたんだけど。
あたしが目を開けたら、あいつは起きてて。
「おはよう」
って、笑った。
何か、寝顔見られた事、恥ずかしくて。
「見ないで!」とか朝から怒鳴っちゃうし。
朝起きたときに、あいつと目が合うって事が。
一日の、一年の最初の朝に、あいつと一緒って言う事が。
ものすごく不思議で。
ドキドキして。
でも嬉しくて。
でも。
冷静を装って洗面所で顔を洗った。
顔を拭いてたら、あいつが大きな声で。
「りりか!!!ちょっと来て来て!見て!!!」
あたしはびっくりして、「何???」って走って行った。
そしたら。
窓の外はうっすら白くなってて。
まだまだ降り続いている雪と。
あいつのはしゃぎ様。
「雪だよー。寒いはずだねぇ」
って、窓開けてるし・・・。
「そりゃ、冬だもん。窓開ければ、雪じゃなくても寒いわね」
「あ、そか」
「ばか・・・」
不思議な光景。
高い所から見るから、上から降ってくる雪が、下に落ちて行く。
当たり前の事なんだけど、何だか不思議な光景で。
あたしがいつまでもそれを見てたら。
あいつが電動カーテンのボタンを押しちゃって、閉められた。
「見たかったのにー」
「抱かせて」
「・・・え?」
「お願い。りりかを抱きたいの」
「は・・?朝だよ・・・?」
「知ってる。お願い」
昨日はそのまんま寝ちゃったあたしたち。
あたしたちは、本当にエッチする事が会う回数とかと考えると、少なくて。
あたしが嫌がる事も関係するけど、あいつもそんなにしたいしたいって言うほうじゃなくて。
我慢しているだけなのかもしれないけど。
「だめ。って言ったら?」
「お願い・・・」
「何で?どうしたの?」
「分からないけど、すごく今りりかを抱きたくなっちゃって」
「あー。朝立ちだ?」
こんなときにも、こんな風に冗談ぽくしか返せない。
こういう真剣なの、苦手・・・だよ。
「ううん。そういうんじゃなくて。今雪見てるりりかを後ろから見てたら、すごく。なんだか。うまく言えないけど・・・愛してるなぁって思ったから」
黙ってた。
あたしは。
それが、あたしの返事。
あたしが返事しないときは、OKの事だったりする。
それが、あたしたちの中では通ってる。
カーテン越しに明るい白い光が入ってくる。
だから、部屋の電気を消しても見える。
から。
あたしは凄く恥ずかしがった。
あたしが胸とか隠そうとすると、手をつながれる。
「恥ずかしいんだって・・・」
言おうとすると、あいつの口であたしの口を塞がれる。
口が自由になって。
あたしがまた「恥ずかしい」を言う前に、あいつが言った。
「俺は、りりかの何を見ても嫌いになったり嫌になったり出来ない自信があるから。だから、見せて。全部見せて平気だから」
いつものあいつじゃない、目だったから。
何か、あたしはちょっとだけ怖くなった。
いつもの優しい目の。
あいつじゃないから。
反論、出来なくなった。
お腹を何度も触られて、ゆっくり舐められた。
「これでしょ。妊娠線て」
指でなぞられる。
「たぶん・・・」
「こんなの、気にすんなよ」
だって・・・って言い掛けてやめた。
「りりかはりりかだよ。大丈夫、関係ないよ。俺が世界一大事にしている人だよ」
何度も何度も、触られた。
そして、何度も何度も、あいつはキスしたりした。
妊娠線に。
あたしは、変な感覚になってた。
あたしの体の中で。
あいつに見られたくない部分。
恥ずかしい、部分。
けど。
あいつにとっては、関係ないのかもしれない。
あたしが。
あいつの体にもし妊娠線がついてても(あるはずはもちろんないけど)関係のないように。
なにより。
世界一大事にしている人。
そう言われた事が、ものすごく嬉しくて。
一瞬だけどね。
遠距離だとか。
寂しいだとか。
妊娠線があるだとか。
そういう事全部、いろいろな事全部の。
不安が飛んだ。
ホント、一瞬。だけ。
きっと、時間がたったらまた、不安だらけモードになるんだろうけど。
そしたらさ。
また、あたしを安心させて。
あたしから不安を、消してくれるよね。
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