march forward.
りりかの独り言。

2002年12月14日(土) カット

久しぶりに髪の毛を切った。

仕事柄束ねてしまうから、長くても面倒じゃないし、伸ばしっぱなしにしてて。

あいつは「切っちゃうのー?」と悲しそう。

あたしの髪の毛が大好きらしい。

「なんかやわらかくて気持ちいいんだよね、触ってると」

なんて言う。

確かにあたしの髪質は健康だって美容師さんにも言われる。

真っ直ぐな髪。

でも、パーマは掛かりづらいんだから・・・




20センチ切った。

肩よりちょっと長いくらいって言ったら、それくらいになった。

凄く軽く感じた。

何だか見慣れない自分。

鏡の中に見つけて。

あいつはなんていうのかな、って考えたりした。






「お、いいじゃん。似合ってるよー」

あいつはニコニコして、言ってくれた。

「トリートメントも高いやつしてもらったんだ」

あたしの髪の毛を触りながら、

「その効果は無いな。いつもと変わらないし」

って言った。




あいつの部屋でごろごろしてたら、また髪の毛を触りながら聞く。

「切った髪の毛ってどうするの?」

「切った髪の毛?」

「今日切った、りりかの髪の毛」

「そんなの、下に落ちて捨ててるでしょ。普通でしょ?」

「でも20センチ切ったらかなりの量でしょ?もらえるのかと思った」

「まさか!もしもらってもどうするのよー?」

「俺が欲しかった。りりかと会えなくても触っていられる!」

「・・・気持ち悪いよ、なんか」

「そういうな!」




ずっとあたしの髪の毛を指に絡ませて遊んで。

「本当に欲しかったなぁ」ってつぶやく。



そんな切った髪の毛だけより、こうやって実物触っているほうがいいに決まってる。

でも、そんなにあたしの髪を好きでいてくれてありがとね。





・・・でも、切った髪の毛が欲しいなんて、気持ち悪いよ、やっぱり!


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