march forward.
りりかの独り言。

2002年12月11日(水) きらきらの通り道

昨日、行った、イルミネーションのひとつは。

あたしが行きたいって言った。

ある場所。




ずっと前の日記にもかいたけど。

あたしの長女は心臓病を患って生まれてきた。

そして、あたしだけ退院させられて。

長女は病院に残って。





新生児室って言うのは、無菌室だから。

しかも、長女が入っていたのは未熟児室で(未熟児ではなかったけど)。

だから、一日に何分って、時間も決まってて。

後はガラス越しに見るだけ。

中の看護婦さんとつながっているインターホンで名前を言うと、保育器ごとガラスの所まで持って来てくれる。

でも、ガラス越しに見れるのも1回20分くらい。



あたしは、そのころ、精神的に参ってた。

当たり前なんだろうけど。

生まれたばかりの我子が心臓病で。

自分と引き離されて。

冷静でいられるはずも無く。




当時住んでいた家から病院まで、片道徒歩20分。

その時は車の免許も無かったし、お金も持たせてもらって無かったから。

交通手段は徒歩しかなくて。

あたし、毎日一日に何回も病院まで歩いて。

ガラス越しに見て。

ボーっとしながら歩いて帰って。

家について一人で部屋の中にいると、落ち着かなくなって。

また歩いて病院に行く・・・の繰り返しで。

おかしくなっていたんだと思う。






長女は11月の終わりに生まれたから、そのころはクリスマス時期で。

あたしは、毎日病院に行って、家に帰って、また歩いて病院まで行って。



病院に行くまでの大通り、綺麗なイルミネーションが飾られてた。

ある日気づいたんだ。

ああ、こんな綺麗な通りになるんだなぁって。


泣きながら歩いた。

涙でイルミネーションがかすんだ。

寒い寒い中。

周りの人たちはクリスマス前で、楽しそうで。

きっと世の中で一番不幸なのは、あたしだ。

クリスマスも何もないって。




毎日、泣きながら通った。

イルミネーションの中を、毎日歩いた。




でも。

長女が手術して、退院するとき、やっぱりクリスマス時期だったんだけど。

それまでとは違うイルミネーションに見えたんだ。

キラキラして。

綺麗だなぁって、素直に感動出来て。





それからも毎年あたしは必ず行く。

イルミネーションを見に行く。


あの時、泣きながら見たイルミネーションは。

もう思い出になってて。

辛かったけど、頑張ったよね、って思ってて。




でも、昨日見た時。

また、涙が出た。

あいつには見られないで済んだけど。

あのときの辛かった事を思い出したのではなく。






なぜか。


涙が出て来てしまった。




いろいろな事があった。

そんな事を、ふと思い出したのかもしれない。



きらきらの通り道を見てたら。


 < back  INDEX  next>


りりか [MAIL]

My追加
エンピツ