お友達のMさんと、買い物に出かけた。
ランチしてから、買い物して、またお茶して。
「たまには、女同士でゆっくり買い物も、いいよね」
って、言われる。
昨日、あいつには、電話して。
日曜日は会えない。って言った。
もちろん、「なんでー?」って聞かれたけど。
Mさんと買い物に行くから。って言ったら、「そっか、わかった」って。
買い物中、メールが来た。
「Mさんは、夕方帰るでしょ?その後会えないかな?」
「今夜、あたし実家行くんだよ」
実家に行くって言うのは嘘。
あざは、化粧してれば、ほとんど、分からない位になって。
だけど、万一の事を考えて、会うのは控えておいた。
「でも、実家から電話するね」
「待ってます♪」
すごく、心苦しいけど。
あたしも、すごく、会いたいけど。
夜、電話する。
「今日は何やってたの?」
「レポート書いてた。明日提出なんだよ」
「あー、学生っぽい!」
「ぽい、じゃなくて、学生なの!」
あとは、だらだら仕事の話とかして。
「あ、明日も早いんだー。そろそろ寝るね」
この一言が、問題になった。
「そろそろ寝る?」
「うん、明日早いんだよ」
「じゃなくて。何?実家でしょ?」
こう言われて、しまった。と思った。
「今家なの?」
いきなり言われて、頭の回転も回らない。
どうしよ、どうしよ、と悩んでしまう。
「りりかさん?」
「うん・・・今、家」
「実家に行くから、会えないとか言ってたじゃん」
「うん、行かなかったの・・・」
「なら、会えたんだ?」
「いや、うん、あー。そうだね・・・」
「会いたくなかったの?」
「そうじゃない!」
黙り込む、あたしたち。
本当の事を言ったら、どんなにすっきりするか。
でも、言ったあとの事を考えたら、絶対に言えないし。
「でもさ、レポートだったんだし、結果オーライじゃない?」
「そんなの関係ない。なんで、行かなかったのに、会ってくれなかったの?」
「ごめん、いろいろ片付けとかしてたから・・・」
もう、訳の分からない受け答えになってた。
あいつがため息をつく。
あたしは、黙り込む。
「最近、変だよ、りりかさん」
「・・・そう?」
「変だよ・・・」
「変じゃないよ・・・」
「いつ、会えるの?」
「うーん・・・。はっきりとは分からない」
「明日は夕方に上がる日だよね?明日の夜は?」
火曜は早いから・・・という言葉、殺した。
あたしが黙ってたら。
「明日、ちょっとでもいいから。顔見ながら、話したいんだよ」
あたしは、しばらく黙り込んでて。
「無理かな?」
いつになく、低い声のあいつの問いに。
「わかった」
って、答えるしかなくて。
明日は、今日よりも、もっともっとあざが薄くなっていますように。
そう願った。
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