march forward.
りりかの独り言。

2002年11月11日(月) 再実感

朝から。

いやーーーなことが、起こった。

あたしが、仕事始めて、こんな嫌なこと、初めて。




バイトの女の子が、お客さまにお冷(最初に出す水です)を、掛けてしまった。

あたしは、遠目にチラッと見てたんだけど、その客が水を持って歩いている彼女に気づかず、急に立ち上がってぶつかったから。



しかし、その客は、怒鳴って。

責任者、呼んでこい。

と。



あたしは、慌てて出ていく。

すいません、すいません、と、その女の子と一緒に謝る。

彼女は泣きだすし・・・

客の怒りは頂点だし・・・

あたしも泣きたいよ・・・



「ねー、責任者って君なの?」

「はい」

「こんな若いお姉ちゃんが?」

「(ムカ!!!)はい」

「こんな子を責任者にしちゃうから、だめなんだよ、この店は!!」

「(ムカムカムカ・・・・)本当に申し訳ありません」

「ちゃんと、教育出来ないから、こんな事になっちゃうんだろ?」

「(あ?お前が急に立ち上がったせいだろ?)はい、申し訳ありません。もう一度、徹底して教育しますので・・・(マニュアルどおり)」

「まったくよー。こんな女が責任者だから、どうしようもねーなー」

「・・・本当に、申し訳ありませんでした。クリーニング代は・・・」

「金とかどうでもいいの。あれだな、もっと上の、本社の人間とか呼んでよ」

「あの・・・しばらくお待ちいただくようになるかと思いますが?」

「じゃー、電話させて。(紙に携帯番号を書いて)これに。君じゃだめだ。女に話しても、仕方ないや」

「・・・・・・・・・・・・・・。かしこまりました」






もー、その客帰ったあと、あたしは半泣きで本社に電話して。

部長に伝えた後。

あいつに電話してしまった。




しかも、大泣きで。





あいつが出る前から泣いてたあたし。

いきなり、「もしもし」より先に、「ちょっとー!!!」って、泣きながら言われたら、あいつも驚くに決まってる。しかも、あいつは寝起き。

「どうした??何?何があった???」

今さっき起こった事を、あたしは泣きながら伝える。

あいつも、一緒になって怒ったりして。

「もう、嫌だ。こんな風に言われて・・・」とか、あたしがぐずぐずしてたら。

「分かった分かった。泣かないの。ね」

と、慰められて。



あたしは、朝両替の時間だったから、電話を切って仕事に戻った。

ちょっと、落ち着いた。

でもまだ、かなり凹んでた。




銀行に行く時間になって、外に出たら。

あいつがいた。

びっくりした。



「どうしたの?学校は?」

「今日は二限から。りりかさんに、元気を補充しに来たよ。銀行まで、乗せて行ってあげるよ。乗って乗って」



なんだか、その気持ちとか言葉が、ものすごく嬉しくて。

あたしは、また泣いてしまった。




車の中でも、あいつはずっと、「泣かないのー」を連発してた。



銀行までの往復20分ちょっと。

いっぱい、元気をもらった。

今日、あいつは学校終わったら、すぐにバイト。

しかも、明け方の五時まで。

だから、寝ていられる時間に、寝ていたい筈なのに。

あたしに起こされて、そして、そのまんま、会いに来てくれた。




今更ながら。


すっげー、優しい。


と、あたしは思った。






あたしをおろして、真っ直ぐ学校へ行った。

そして、メール。



「ありがとう、すごく、嬉しかったよ・・・でも、寝なきゃ、なのにごめんね・・・」

「何言ってるんだよー。りりかさんが辛いときに、寝ててどうする?一緒に半分こにしようよ。半分、俺がもらうから、無くなった半分にいっぱい楽しい事詰め込んで!」


笑顔のマークがたくさん並んでた。

あたしは、すごく、すごーく。


幸せな気持ちになれて。




こんな、ちょっとの言葉や態度で。




人の心は、不思議だなぁ。


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