あたしは。
あいつの胸の上で眠るのが好き。
何でだか。
あいつの心臓の音が、ものすごく心地よく耳にひびいて。
なんでだろうね。
あたしが、そう言うと。
俺だからじゃない?愛する俺だから。
なんて、調子に乗ってくる。
あたしは、そうかもな。と思いつつも。
「ばーか」とか言う。
可愛くない・・・
今日は夕方から仕事だったから。
2人で寝転がってばかりいた。
あいつの具合も、咳くらいで、だいぶ良くなってた。
胸の上に頭を乗せて、窓から見えるこの景色が好き。
あいつの部屋はマンションの上のほうだから、遠くまで良く見える。
今日はあまり天気も良くないけど。
でも、好き。
もちろん、天気がよかったら、もっと好き。
自分の胸の上に乗っている、あたしの頭を。
いつまでもいつまでも、なでてくる。
すごく、優しく、なでられている。
いつだったか、こう言う場面があって。
あたしは、その時は、帰らなきゃいけない家があって。
好きなだけ、こうしているなんて事は、不可能だった。
今は。
あたしは、こうして好きなだけいられる。
それは、幸せ。
確かに、幸せなんだ。
いろいろな物をなくして、壊した変わりに、手に入れた幸せ。
そんな幸せは長続きしないとか。
よく言われるけど。
長続きしないでもいい。
この幸せを、今、感じていられるのだから。
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