march forward.
りりかの独り言。

2002年10月18日(金) 無理矢理

会うのが怖いなんて、何でだろう。

初めてじゃない。

会うのが怖いと思った事、初めての事じゃない。

前にもあった。


それは、あたしが別れを言った日。







あたしは、駐車場に迎えに来てくれたあいつにあった瞬間から、「ごめんね・・・」をいい続けてた。

あいつは黙って、あたしの腕を取った。

いつもは手をつなぐのに、今日は腕を持たれるって言う感じだった。





あいつの部屋で、あたしはいきなりキスされた。

その上、胸を触ろうとした。

びっくりして、逃げようとしたら、捕まえられて、押さえられた。


「ちょっと!飲んでるの?!」

あたしが、怒鳴った。

「飲んでるわけないじゃん」

あいつは冷静に返してくる。

そして、あたしの着ていた服をまくりあげる。


「やめて!絶対に嫌、やめて!やだってばー!!!」

あたしは、ほとんど叫び声に近い。

あいつは、やめない。

スカートをまくる。




そして、あたしは泣いた。

あいつに腕を押さえられたまま、あたしは泣いた。




あいつは、しばらくそのまんま。

あたしを見てた。

涙がどんどん流れて。

耳に伝って、髪も塗れた。





あいつとする、セックスは嫌いじゃない。

あたしはセックスが嫌いと言うか、興味がわかなかったけど、あいつとは嫌いじゃなくなってた。

それは、あいつが一方的にしないから。

絶対に、あたしの嫌がる事はしないし。

あたしのためにっていう感じでするから。


セックスって、女は本来受身だから、そう言うちょっとの事で、変わる。

だから、あいつのセックスはいやじゃなかった。


あたしのために。

あたしが感じる場所を一生懸命さがそうとして。

あたしがここまでにしてって言えばやめてくれて。

たまに言う「大丈夫?」って言葉もあたしには安心出来て。




なのに、こうして、あたしは無理矢理やられそうになって。

凄くショックだった。

凄く怖かった。

だから、泣いた。




「りりかさん・・・こうして、抵抗されたら、出来なくなるんだよ、ましてや好きな人に。キスだって、最初だけで、抵抗されて、出来なかったでしょ。りりかさん、分かる?」




あたしの腕を離して。

あたしの髪をなでた。

あたしの頬をなでる。



「ごめんなさい。こんな風にしちゃって、ごめんなさい」


あいつは、謝る。

謝らなきゃいけないのは、あたしなのに。




あたしは、あいつを抱き寄せた。

そして、ぎゅっと、抱きしめた。

あいつも、あたしを抱きしめ返してくれた。



「もう・・・絶対にしないから。絶対に、何かあってもいいとか思わないから。H君だけにしか、思わないから。ごめんなさい・・・」




あいつは、あたしの頭をなでながら、頷く。



「揺れそうな感情になったとき。俺の事を思い出してよ。ね?」

いつもの。

あたしが好きな笑顔に戻る。

あたしも、笑顔になる。




「一緒にお風呂入ろうか?」

あいつが笑いながら言う。

「絶対にイヤー」

「だよねー・・・」

がっかりした顔になる。

あたしはそれを見て、また笑う。



「あとで、呼んだら、入って来ていいよ」


びっくりして、こっちを見る。

「マジで??」

「うん、マジで」



あたしたちは、一緒にお風呂なんか入ったことない。

恥ずかしい。

どんなに痩せてても、スタイルいいね(胸以外)とか言われても。

どんなに若作りしても。

それは外見だけで。

脱いだら。

あたしはやっぱり子供を3人産んだから。

妊娠線があるし。

そう言うのを明るい場所で見られるのが恥ずかしかった。



だから、今まで絶対に嫌!って言い張った。

けど、なんとなく。

この人には何でもさらけ出したいな、と思った。



「じゃ、呼んだら、とかじゃなくてさ。場所変えない?」

「場所ー?」

「うん、ラブホに行こうよ!二人で行ったことないじゃん!」

「えぇー!??」

「ね、そうしよう!りりかさん、上着着てー。行くよー」

「だって、どこのよ?」

「適当に車で流して、左側にあった5件目のラブホに入るって言うのはどう?」

「はぁ・・・いいけど」




ラブホテルなんて、何年ぶり?

すごくすごく、久しぶりな事は確か。



初めて一緒に入るお風呂が、ラブホテルって言うのも・・とか思ったけど、テンションが高かった事もあって、行く事にした。


その話はまた明日の分で書きます。


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