march forward.
りりかの独り言。

2002年10月02日(水) 笑顔

あいつが電話してくる。

毎日、電話してくる。

必ず最初に、「うちに来ませんか?ドライブでも行きませんか?」

とか言う。




あたしは、連日仕事が入っているから、疲れてて「電話だけね」と言う。

金曜日、会う約束をしたから、それまでは電話だけ。

一人でいる事に慣れなきゃね。




そんな事を言ったら、あいつが。

「提案があるんだけど」

「なに?」

「一緒に、暮らしませんか?実家に帰るんじゃなくて」

「は?」



あたしは、実家に帰るつもりだったけど、実家から職場まで遠い事もあって、職場の近辺にアパートを借りるつもりでいた。

友達が不動産屋で働いているので、そこでいい物件を探してもらった。

そのことを、まだ話していなかった。

実家に帰るとあいつの家からかなり遠くなるから、近くになったんだよって驚かそうかな、と思ってて。





「一緒には暮らさない」

「言うと思ったけど・・・」

「でもね、近くには住むよ。今よりちょっと近いかな、5分くらい短縮」

「そーなんだ・・・」



あんまり嬉しくなさそうだった。



「実家に帰ったら車で1時間弱掛かっちゃうようになるけど、新しいアパートは車で15分弱だよー」

「うん・・・」




一緒に暮らさない?と言ってくれた事は、素直に嬉しい。

でも、まだまだそんないきなり出来ないよ。

あたしには、出来ないよ。



だから。


「いつか、一緒に暮らそう。そう思ってるから。あたしは」



あいつは、あんまり納得してなかったみたいだったけど。


でも、まだあいつのご両親の事とか、いろいろあるわけだし。

そんな簡単に同棲だの、なんだの、出来ません。

ここまで周りを巻き込んで、自分勝手して来て。

これ以上自分勝手は出来ないから。

充分、自己中な事、してきたから。



今更、何言ってんだよ、って思うけど。




苦しい思いとか、辛い思いとか、悲しい思いとか、周りにたくさんさせた。

だから、あたしはこれからは、なるべく、そういう思いを誰かに、あたしたちのせいでさせたくないんだ。

もしかしたら、知らぬ間にさせちゃっているかもしれない。

させちゃうかもしれない。


でも、自分たちが出来る範囲では、させないように、努力したい。




強がって、生きて行きたい。

たとえ、苦しくて辛くても、自分たちの中だけで止めたい。

周りを、巻き込みたくない。









寝る前に妹からメールが来た。


「俺にとっての自信は、俺ならりりかさんを本当の笑顔に出来る。りりかさんにはいつも笑っていて欲しい。りりかさんを他の人が大事にするんじゃなく、俺が大事にして行きたい」



あいつが、妹に送ったメール。




そう言えば、あたし最近、本当の笑顔、出してない。



笑えて、ないな・・・


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