march forward.
りりかの独り言。

2002年07月03日(水) 暗闇

朝から貧血で、ふらふらしてた。

でも、友達とランチに行く約束してたから。

久しぶりに会う友達だったし、あたしの事も凄く心配してくれてたから、頑張って行った。

ランチの最中にあいつからメールが来た。

就活で会社説明会に行っているらしい。

頑張っているなぁっておもう。



友達と別れた後、気分もよくなったし、ビーズの本を買いに、デパートに行った。

子供たちの水泳の授業に使う、バックも買いたかったし。

バック買って、本を選んで、さぁ、保育園のお迎えに・・・・と思ってエレベーターに乗り込んだとき、なんだか周りが暗い。電気が切れているのかな、切れ掛かっているのかな、位に思ってた。


エレベーターが目的の階について、ドアが開いたとき。

そこは真っ暗だった・・・・

え・・?何が起こっているの?

火事?何?停電????

今まで薄暗かったエレベーターの中も、すでに真っ暗。

呆然として、突っ立ってた。



「降りないんですか?」

後ろから人の声がする。でも、ずいぶん遠くから。

あたしの目だけが変なんだ、と気づいた。

「お、降ります・・・」

答えるのがやっと。

本能的に、前に進めば、ぶつからないと判断して、恐る恐る進んだ。



後ろでドアが閉まる音がした。

あ、降りたんだ。

そう思ったとき、意識が遠のいていくのが分かった。

必死で手を延ばして、壁を探す。

倒れちゃだめ、倒れちゃだめ・・・



壁が手に触れて、あたしはそこにより掛かった。

目をきつく閉じた。

開いてても、閉じていても、真っ暗な事は変わりない。

どうしよう。視力がなくなっちゃったのかな。

何かで聞いた事がある。

精神的なストレスで、視力を失った人の話。

どうしよう、どうしよう・・・・・・






どれくらい、そうしていただろう?




周りのざわめきが聞こえてきた。

「大丈夫ですか?」

ゆっくり、目を開ける。

OL風の若い女性が、ぼんやり見えた。


・・・よかった。見えた。


「大丈夫です・・・すいません」






ふらふらした足取りで、駐車場に向かう。

ドアを開けて、車に乗り込む。

深くシートに腰掛けたとき、普段余り汗をかかないあたしの額から胸から、びっしょり伝ってくるくらいの汗に気づいた。




怖かった。

このまま、何も見えないままになったら、どうしようと思った。

助けて。お願い、助けて!

何度も、心の中で叫んだ。




そして、あたしが真っ暗な闇の中で、一番先に助けを求めて、思い出したのは。





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