昨日、あいつの所に夕方から遊びにいった。 今日、4月28日はあたしたちがこうなってから3ヶ月目なのだ。
一緒に買い物に行って、夕飯をあいつが作ってくれて、 二人でお酒を飲んで。いつもどおりたわいも無い話をして。 あ、そうだ、あいつが脱色すると言うから、後ろ髪は手伝ってあげたりしたんだ。結果は・・・ちょっとむらになっちゃったけど。(笑) 楽しく時間はどんどん過ぎた。
あたしは、酔いがどんどん回ってて、ちょっと頭痛がするくらいになってた。「頭痛いから、ちょっと寝るね」 あいつは、心配そうにずっと頭をなでてくれてた。 「でも、こたつで寝ると体痛めるし。ベットに寝てください、何もしませんから(笑)」 「うーん・・」 迷っていたら、抱き上げられてベットに寝かされた。
時計を見たら12時を回ってた。 「あ、3ヶ月目になってる!」 あいつが、あわててグラスを持って来た。あたしにはウーロン茶の。 「3ヶ月おめでとうございます!!」 ベットの上で乾杯した。あいつは、凄く凄く嬉しそうだった。
「付き合い始めの数日、事故があったり、りりかさんの気持ちが揺れまくったりして、いつだめになるんじゃないかって、はらはらしましたよ。どうしたら、りりかさんの心の揺れを止められるのか、どうしたらどうしたら・・・って。だから、こうして、月日を重ねていくのが、俺にはとても凄い事なんです」 ずっと、頭をなでながら、たまにキスしながら、いろいろな思いを語ってくれた。 初めてあたしに会った日の印象(よく働く人だなと思ったらしい)、 自分の今の気持ち、これから先の気持ち。
「ずっとずっと、好きでいますからね。傍にいますからね」
そして、あたしをぎゅって抱きしめて。
「そして、いつか、あなたの心も体も俺のものにしたいです」
「ごめんね・・・・・・・我慢ばっかりで」
「謝らないでくださいよー。」
「だって、こんな、いつも、我慢ばっかりで、男って、理性より本能の生き物でしょ?押し倒したくなっているんじゃないかなぁとか、考えちゃう」
「(笑)今、俺の理性を保っているのは、プライドですかね。俺のりりかさんがOKっていうまでは耐えろ、その前にやったりしたら、お前はどうしようもないぞっていうプライドが、支えてくれてますね」
ああー・・そんなに考えて考えて我慢して我慢して。 あたしは、ひどいことしているよね。
酔いも手伝って、あたしは「いいよ」と言った。 一大決心だった。 いずれこうなるんだから。だから、3ヶ月目って言う節目だし、いい機会じゃないのかな。
「マジで?いいんですか?無理して無いですか?」 「無理は・・・ちょっとしているけど、大丈夫」
目が合って、服を脱がされ始めた。 あたしは、自分でOKしときながら、「どうしようどうしよう」と、また迷い始めてた。 でも、子供じゃない、あたしはもう2年後には三十路だ。 いやいや、言っている、お子様とは違うじゃない。 何を迷っているの?大丈夫、出来るよ。 何も変わらない。ただ、体の関係が出来るだけ・・・
不倫になっちゃうよ。いいの?
あたしの中では、体の関係が出来た=不倫だという、勝手な定義があった。
今の状態は不倫じゃないの?
今はまだ恋人って言える。体の関係も無いし、不倫じゃないもん。
じゃ、不倫になっちゃうよ・・・?このまま進んだら・・・
「や・・やっぱりやめて!」
「は?」
「やっぱり・・・できない」
「なんか、まずいことしました?」 何されているかなんて全然分からなかった。 もう、頭の中でぐるぐるぐるぐる考えちゃって。
「違う。違うけど、やっぱり出来ないよ。ごめん!・・・ごめんなさい」
あいつは、ずっと、あたしを見てたけど、あたしは目をそらし続けた。
そして、そっと抱きしめてくれた。
「いいですよ。じゃ、最後まで出来る日まで待ちましょうか。ここまで待ったんですから。俺的には、これだけでも、凄い進歩だと思うし、凄い嬉しかったんですから」
あたし、なんて事を・・・しちゃったんだろう。 これじゃ、蛇の生殺しだ。
「本当に、ごめん。中途半端にOKしちゃったりして」
「いや、こういう中途半端で終わるのも、なんかいいんですよー、男って」
んなことあるわけないじゃん。 無理して、あたしが傷つかないように傷つかないように。 言葉を選んで、何もなかったかのように、たいしたことじゃないよって言う。
「一緒にいられるだけで、俺は最高なんですから」
よしよししてくれて、あたしは泣いてしまった。 なんて情け無いんだろう? 10代の処女の女の子じゃあるまいし。 大人なのに。立派な、28にもなる、子供も3人もいる、大人なのに。 こんな22歳の学生の子をこんな風に我慢させて。 しかも、中途半端に期待させちゃったり。 それで、大丈夫、たいしたことじゃないって言わせちゃったり。 あいつは、泣いているあたしをずっと抱きしめてくれている。 あたしは、思い切り、あいつを抱きしめて。 ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・ 謝り続けた。
不倫?不倫が何だよ。もう不倫なんだよ、あたしたちの関係は。 体の関係があろうがなかろうが、もう不倫の関係なんだよ。 そんな事で悩むなよ。 違うだろう、不倫になるのが嫌だとか何とか理由付けして、 実は、自分が怖いだけだろ? そうなったしまった後、あたしはあいつが好きでいられるか、あいつもあたしを好きでいられるか、あいつが今までどおりあたしを大事にしてくれるか。そんな環境が変わるのが怖いんだろう?
あたしがあたしに怒っていたりした。
「頭が痛いの治った?ウーロン茶持って来ましょうか?」 あたしのことを一番に考えてくれる、あいつ。 体の関係が出来たって、変わらないよ。平気だよ。 勇気を出して。後一歩踏み出せばいいだけだよ!
あたしは、決心した。
次は迷わない。
次は、あたしは、あいつに・・・・
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