march forward.
りりかの独り言。

2002年02月14日(木) バレンタイン

あいつが事故を起こして2週間がたった。
相手も怪我が無く、でも飲酒だったので、免許は取り消しになるだろうと言われていた。
車は廃車になるかも知れないほど、壊れている。
なので、必然的に足が無いあいつの家に、あたしが出向くのが当たり前になってきていた。

今日はバレンタインなので、前々から用意してあった、ミッキーとミニーの大きいぬいぐるみを車のトランクに詰め込んでおいた。
仕事が終わって、家事をしてから、彼の部屋へ。
ぬいぐるみなんか、喜ばないかな、へんかなぁ?とか、考えながら、大きい包みを二つ渡した。

中から登場したミッキーたちに、彼は大喜びで、子供みたいにはしゃいだ。
「一人暮らしで寂しくても、こいつらがいたら、寂しくないですね」

凄く喜んでいる彼を見て、あたしも凄く嬉しかった。

「今度、ディズニーシーに行きましょうよ。あなたは寒いのが苦手だから、暖かくなったら。そうですね、あなたの誕生日くらいに」

そういいながら、あたしの頭をずっとなでて、そっと抱きしめてくれる。
抱きしめ方はどんどん強くなって、痛い位になるんだけど、
あたしが一番安心する瞬間だ。
一日の嫌なこと、明日起こるかも知れない嫌なこと、ずっと先の嫌なこと、ずっと昔の嫌なことが、これでチャラになるんじゃないかと、凄く幸せな気分に浸れる瞬間だ。

あたしたちに、体の関係はまだ無い。キスだけだ。
あたしは、きっと体の関係にはなれないと思っている。
なぜなら、体の関係を持った時点で、あたしたちの関係は、「不倫」というなんだか汚いものになってしまう気がして。
もちろん、今の状態も不倫だって言う人もいるだろうけど。
でも、体の関係が無い今は、なんだか純粋に好き同士の恋人と言えるような気がする。
それは、自分の中でだけの大切なことなんだ。綺麗事かもしれないけど。


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