2002年10月21日(月) |
純粋に拉致を非難する歌はなぜ出ない? |
今日は選者の評とともに鑑賞しましょう。
馬場あき子選。
◆ ゴルゴダの丘のごとしも沖縄は日本の罪の見ゆる場という (大阪市 村山香代子) ◆ 無惨なる戦いのこと孫たちは暗記している歴史のテスト (佐賀県 山領豊) ◆ 原発や米軍基地なき果実どころ無法農薬県をゆるがす (山形市 佐々木悠)
【選者の評】(村山氏の歌は)沖縄をイエスが処刑されたゴルゴダの丘にたとえている。太平洋戦争以後だけに絞っても、日米の不平等な関わりから沖縄の現状を見れば、そこに沖縄に対して犯している<罪>の具体は見えてくるといえるだろう。(山領氏の歌で)孫たちがテストのために暗記している歴史も、その無残な真相には届かぬ知識であることが複雑に心を屈折させる。
※被害者ほど楽な商売はないという。「沖縄=被害者」とすれば何でも語れるという思い上がり。県外在住過激派関係者の一坪地主の奥さん、毎度ご苦労さん。
近藤芳美選。
◆ 被害者となりて初めてむごさ知る政治の中の死われらおろかに (さいたま市)斎藤 智明 ◆ 拉致・拉致の土砂降りの雨子に孫に差し出す傘なく生みしを悔やむ (町田市)朴 貞花 ◆ 過ぎ去りし事件の透きて立ち顕わるる祖国は在日を辱めおり (三鷹市)申 英愛
【選者の評】被害者となって初めてそのむごさを知るという思い。政治の中の死という。うたわれているのは直接には「拉致」の衝撃であるが、その背後にわたしたちの生きて見て来たさまざまな歴史の不条理への思いが重なる。多くの作品が集まった中の一首。
※天声人語に続いて出た出た、北朝鮮の拉致による日本人の死を「政治による死」で片付けて知らんふり。日本に対しては強制連行謝罪しろとか何とかうるさいくせに。どうして北の拉致を明確に非難する、人間として当然の歌は、朝日歌壇には一つも出てこないのでしょうか? 朴貞花さんはようやく少しは恥を知ったのでしょうか。そろそろこの人、在日への暴力許さないネタで来るかと思ったら。
ついで日経歌壇です。
● 先住民追い払いたる正義もて悪に挑むかアングロ・サクソン (東京都 小沼常子)
※最近、日経歌壇の朝日歌壇化が進んでいるのが気になるところです。
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