浪漫のカケラもありゃしねえっ!
DiaryINDEXpastwill


2000年11月10日(金) 言霊が走るとき

「言霊」という言葉を初めて知ったのは、平井和正の本のあとがきでした。
狼男の言霊が枕元に立って、物語を書かせたのだそうで。(笑)
それ以後にもいろいろ作家達の文を読んでいくと、そういう体験を書いている人もありましたね。
物語を作っているときのハイな感覚。少しバランスを失うだけでアイデアが飛び去ってしまうこと。キャラクターが勝手に動いてしまうことなど。
実際体験してみるまでは、不思議でたまらなかったんですけれどね。

学生時代に漫研&SF研にはいっていたものの、創作の方は片手で数えるほどしか作ってはいませんでした。美しいモノを愛でることは好きでも、思うようには描けない。
絵を描くことも物語を書くことも、私にとっていつも苦痛でした。
ところが、友達を喜ばせるためにちょっとした物語を書いていたとき、突然言葉がわき上がってくる速さに指が追いつかなくなるときがあったんです。
頭で意図したようには登場人物が動かせず、勝手に文がわき、予期しなかった展開になってしまった。
自分以外のモノに突き動かされているような感覚。「キャラが動く」「物語の言霊が走る」としか言い様がなく、疲れはてていながら、とんでもない躁状態。なにかにとりつかれたような感覚でした。(笑)
イド(無意識の)の底から、想念が駆け上がっていくのでしょうか。(井戸の底から上がってくるのって、「サダコ」だっけ。(^-^;))
我ながら、「イタコ」みたいだと思ってしまう。(笑)
それ以後いろいろ試してみましたが、そういう状態を励起できるのはごく希な瞬間であると痛感しました。
どうやら自分は、人を目の前にして「語る」状態に近いと、こういうトランス状態に入りやすいようです。
ひさしぶりにあれこれと創作をしたり、スケッチを描いてみたり、そんな嬉しさがこのHPを作り始めたキッカケにもなっています。
できれば、いっしょに躁状態になって語って下さる人がたくさん訪れてほしい。
そう願っています。


JAJA |MAILHomePage

My追加