あたろーの日記
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2007年06月10日(日) 鈴本早朝寄席

 旧暦4月25日。
 よっこらしょ、っと早起きして、上野は鈴本演芸場の早朝寄席に行ってきた。
 早朝寄席は、日曜日、お昼からの昼席の前にある、二ツ目さん達の勉強会と称した高座で、木戸銭なんと500円。しかも、今一番注目している噺家さん、柳家さん若さんが出演するというので、期待しながら行きました。
 番組は次の通り。
 月の家鏡太 「小言念仏」
 三遊亭窓輝 「茶の湯」
 鈴々舎わか馬 「動物園」
 柳家さん若 「干物箱」
 ・・・・・。
 以上を日曜の朝、10時から11時半までみっちり観られるのだから、幸せなものです。トリは今年2月に二ツ目に昇進されたさん若さん。いやあ、びっくりした。いきなり「干物箱」。しかも、巧い。二ツ目になられてまだ日も浅いのに、こんなに難しい噺を演るなんて驚きました。驚いたけど、さん若さんなら出来るのも納得。それにしても、先週さん喬一門会で「真田小僧」を聴いたばかり。前座さんが演ることの多い「真田小僧」からいきなり飛んで難しい「干物箱」ですか。さすがだな。さすがさん喬師匠のお弟子さんです。この方、登場人物の演じ分けがとても巧い。ひじょうにまとまっていながら、勢いのある語り口。噺家であるさん若さんはどこかへ行っちゃって、そこにいるのは若旦那と貸本屋の善公、若旦那の親父さんである。聴いている私がいるのは、鈴本の客席じゃなくて、江戸の街である。「干物箱」30分。力のこもった快演。ほんと、二ツ目昇進したてとは思えぬ充実した高座でした。
 高座のあと、さん若さんとちょっとお話できたので良かった。これからも期待してます!

 鈴本を出たら雨が激しく、急いで地下鉄に潜る。落語が縁で最近知り合った女性達も同じく早朝寄席に来てたので、立ち話で感想を言い合って、また来週の再会を約して解散。
 
 午後は地元に帰ってきて、カフェでひたすらノートに向かう。
 午前中にエネルギッシュで創造性溢れる高座を観たために、感受性が触発されて、こっちのアンテナもぴくぴく動いている。
 分野は異なれど、レベルも違うけど、クリエイティブな情熱は伝播する。 寄席はある意味、私の起爆装置だったりする。


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