あたろーの日記
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2007年02月05日(月) 服を作る。と、決めた。

 旧暦12月18日。
 仕事を終えて今日は残業せずに会社を出て、帰宅途中に池袋に寄って、パルコの上の階にあるお洒落な舶来文具の店とか世界堂を覗いて、ツバメノートの小さいのを2冊だけ買って、ぼんやり歩いていたら、駅の地下道に続く階段の一番上でこけて、危うく転げ落ちるところでした。
 ぼんやりと、奈良あたり旅したい、と思い始めてます。
 オヤジから昔貰った一眼レフをぶら下げて、リュック背負いふらふら。
 でも、2月3月は忙しいかな、結局。
 
 最近本気で悩んでいること。
 憧れの田舎暮らしをいつかしたいけれど、そうすると寄席が遠くなる。

 あ、あと。
 最近心惹かれるのは、古い一軒家。
 猫の額ほどの庭がついていればなおいいな。
 そこで自分の食べる野菜やハーブをちょこちょこ育てて、猫と犬を一匹ずつ家族に迎えて暮らす。
 古い家屋だから、綺麗な布でカーテンなんか作ったら、なおのこと映えると思う。エアコンも電子レンジもテレビも置かない生活(今でも持ってないけど)。でも風通しが良くて、料理したり裁縫したり本を読んだり文章を書いたり絵を描いたり、が毎日楽しい家。

 以前から、服を買うことにあんまり興味がなかったんだけど、このところ輪を掛けて買う気がしなくなった。年に数回、季節が変わる頃にユニクロでいくつかのアイテムを買い足す程度だったのが、このところぜんぜん行く気がしない。お洒落に無頓着と言えばまあ無頓着なんだけど。ここ数年ユニクロにしか行っていない(あとはジーンズを買うときにジーンズメイトだけ)のは、デパートやショッピングモールの店員さんの、猫撫で声で近づいてくるのがうっとうしいというか、怖い(ごめんなさい)から。1人で選びたいのに放っておいて欲しいなあ、と思いつつ、足が遠のいた。お店の人も商売だから仕方ないですけど。で、そういう人間にうってつけだったのがユニクロ。パンツや靴下から上下服に折りたたみ傘まで揃うんだもん。気に入った形のものがあれば、色違いで揃えてもお財布あんまり痛い思いしないくらい安いし。店員さんは放っておいてくれるし。
 だけど、そろそろユニクロ一辺倒から脱却したくなってきた。というのも、街中で、自分と同じもの着てる人とすれ違ったり。それと、ユニクロのテイスト(!?)にも飽きてきた。
 そこで、最近ムクムクと意欲が湧いてきているのは、大量生産された人と同じ服を着たくない、つまり、自分で作ってしまえ、という計画であります。昔から針仕事は結構好きだったし、何年か前までスカートを縫ったりしていたので、ここんとこ忘れていた手作り服への意欲を復活させている今日この頃。よく考えたら、今住んでいるところは日暮里の繊維問屋街にも近いしキンカ堂のある池袋にも、オカダヤのある新宿にも近い。だいたいスカートと言ったって、私はそんなに難しい物は作れません。手縫いで、巻きスカートをバカスカ縫うだけですが。あと、今まで買って最近着ていない服をリメイクして、違う形に作りかえたり。なんだか面白そうだ。
 服を作る、でいつも思い出すのは、学生時代の恩師。当時50近い年齢だったと思うけど、ずーっと独身で研究生活に没頭してきた講師の先生。いつも下駄とはんてんでてぬぐいぶら下げているので、先生と知らない警備員さんにたまに校門で呼び止められていた。その先生、長く1人で暮らしてきたため、自分のことはなんでも自分でできる。炊事とか洗濯とか。それはまあ、当然といえば当然なのだけど、さらに、服まで自分で縫ってしまう。たまに先生の着ているシャツに、「これ先生が縫ったんですか?」と訊くと、「おう、そうよ、これは俺が型紙から起こして、手縫いしたんだぞ」と。ちゃんと襟のあるシャツ。凄いなー、と感心していた。自分の父はじめ、世の中の男性も、それから女性である自分も、服は買うもんだ、と当然のごとく考えている現代に、その先生はさらりと、自分で手縫いした服を着ていた。そのことがずーっと頭に残っている。
 きっと、自分で作った服には、流行というものがない、と思う。あるとしたら、自分の中での流行。でも、その服の様子をちょっと変えてみたいと思ったら、少し切ったり縫ったり彩ったりして手を加えてまた着続けられるような気がする。すでに雑誌で流行の服をチェックするようなことはしなくなって久しいけど、今後はもっともっと、他人は他人、自分は自分、になっていくと思う、私の場合。そう言うと、反発を感じる人もいると思うけど、別に他人を否定しているわけじゃなくて、私がそういうことにすでに興味を無くしてしまった、というだけなのです。
 不思議と、お洒落に無頓着、と思っていた自分が、今年はあれを作ろうかな、この布で何を縫おうかな、と考えているウチに、どんどん可愛い服のアイデアが浮かんできて、楽しくなってくる。手縫いだし、多少のでこぼこはご愛敬。だけど世界でひとつしかない服だぞー、と思うと、なんかどきどきするなあ。
 と、妄想だけじゃなくて、実際に作らなきゃ。難しいのは、時間配分。毎日毎日そればっかりやるわけにはいかないので、毎晩30分ずつ、と言う風に、他にやるべきこととのバランスを考えていきたいと思います。
 ★今年の目標のひとつは、既製服を極力買わない。だ。
 


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