淀川は広く、長く、真っ黒だった。ビルや家屋の光が無数に散らばって梅田〜十三、塚本あたりの陸地を形成しているのに対して、川は、純粋に黒かった。「暗い」のではなく、そこだけ空間が抜け落ちたように黒かった。 その黒い断裂を滑らかにわたってくるものがあって、細長い船かと思ったら、十三を出た阪急電車が梅田へ向かってゆるゆると走っているのだった。 まるで水面を静かに伝っているような動き方をしていた。 とても面白かった。 |
writer*マー | |
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