いつしかあなたはあなたで自我に苦しみ、他者に苦しみ、折り合いをつけて、そして太陽の光を失っていった。必然的なことだった。いつまでも一個の人間が太陽なんかでいられない。誰もが我が我がと言い出して群雄割拠。そして女の子は女性へと成り、日々の体調にだってひどいぐらつきを伴う。光だけで生きていたようなあなたはとても多くの曇り空と陰を宿すようになった。私はひたすら光の記憶を回収した。 今もそれは生きている。過去、と言えば、あなた以外にないぐらいに、とてつもなく強く鋼のように脳裏に突き刺さっている。もう二度とこの世で出会うことはない、純粋な光と熱の記憶。 目を閉じて、リフレインを刻む。あなたが今そこに蘇る。現実離れした強さと明るさに満ちた、太陽のようなあなたを刻む。あなた自身もが失ったであろう、強い光を、今度は私がインストールして使う。リフレインを刻み、今度はそれを私が使う。遠い時代のあなたを、あなたさえも失ったあなたを、今度は私が使う。 あなたは今どうしているだろう? もう二度と太陽には戻らないだろうと思う。いや、そうだと知っている。今度は私が使う。目を開き切って、この足で地上に立たねばならなくなった今、私がそれを使う。リフレインを刻み、誰よりも強く光り輝いていたあなたを、呼び覚ます。 |
writer*マー | |
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