星屑のように散っていった想いの数々。忘れはしないと誓っていたものが砂粒のようにばら撒かれてゆく。毎日を歩むための地面となって固まってゆく。壮大な蒼い空、神々しい星、真っ赤な太陽、それらの夢は、毎日を刻むうちに塵となり砂となってこの地平、日常の大地に降り注ぐ。体に現実感が宿る頃、全ての幻想のような夢のかけらは踏み固められて地平となる。その上を歩んでいくときの安定感は計り知れない。が、もはや重力の安堵感に酔いしれたこの体、いささか酔いすぎたようだ。並みの麻薬にも酔うことは出来そうにない。この眼は果たして今、其処だけを見て足元に酔うのか。それとも更なる星屑を生み出すために更に遠くの虚空に巨大な夢を見るのか。どうなのだろうか。私はもはや何も握り締めてはいない。君はどうだ。私はもはや何者でもなく、何者にもならない。君はどうだ? 激しく燃え上がる太陽よりも、平熱に静まり返るアスファルトの道路をと言うのだ。君はどうだ? 夢も見ずに眠り夢を語ることなく生きることの安定感とは不覚にも凄い効力があるものだ、君はどうだ?
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