世界が何らかの響をもって迫ってくるときは一発で分かる。一瞬で。東京の高密度の都市に迷い込んだとき周囲の圧縮された構造体の存在感が異常な静けさを以ってこちらの精神構造に共鳴を起こしてきた。あの振動の型が私は忘れられない。世界が訴え掛けてくる強い波の力が目の前に、今そこにあって、こちらの全細胞が、鼓膜や耳小骨も含めて総動員されてゆく。私はそのソナー解放の感覚を知っている。だから今の毎日が、ううう、うぐおおおおあああ、俺は老けた嫁か!!!! 感覚の捉えられない無感のソナーは錆付いて壊れだし、いろいろな内部構造が破綻してゆき、自らが発するノイズを自分で捉えてそれを増幅するようになるだろう。自爆の始まりだ。バルーン、グレネード、マイン、ボム。自らの負った傷によって爆撃が内向的に行なわれてゆく。だがこの世界は一片の傷も負うことはない。明快な答えとしては、私は私の内側へ閉ざされる度合いを高めながら自分の声に殺されてゆくのだ。鼓膜が削れて落剥するか? 茶菓子の味も感じられなくなるほどに? いや鼓膜は味覚を担当しない! くそ! 私は 私は・。・・・ ああ。必ず、必ず蘇ってみせる。 何処へ行くの? ―うどん屋だ。とろろ汁をかけてやろう。 いやだ いやだあああ。からだが かゆくなるうう。 身の回りのあらゆる時間が、感覚が、抜け落ちた頭髪にも似た ああ 回転寿司。 |
writer*マー | |
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