告白。ただ、どうしようもない、告白。

2003年01月17日(金) 仕返し

姉の写真が居間の机の上に置いてあった。
友達に囲まれて楽しそうな、笑顔の写真。

なんだろう、すごく、イヤ。

深く考えずに、その写真の姉の笑った顔に、シャーペンで幾つか穴を開けた。
満足。
嬉しくて、母に見せたりした。

「…あんた、怒られるで…」

言われて、初めて気付いた。
そうだ、これは姉の写真だ。姉の持ち物だ。姉はこれを見たらきっと物凄く怒る。

後日案の定姉がその写真を見て言った。

「誰がやったん!?」

視線は私を捕らえたままで言った。

姉は誰がやったか分かってるんだ。でも、私が自分から名乗り出て謝るのを待ってるんだ。
私はただ黙っていた。知らないふりをした。謝罪の言葉を発するなんて出来なかった。
きっと認めたらもっと怒られると思って、何も言わずにいた。

尚も言い募る姉。
「あんたちゃうん?あんたがやったんやろ?」

分かってる。
分かってる。
やったのは私。
知ってる。
知ってる。
悪いのは私。

でも、認める事、謝る事は出来なかった。黙っている事しか出来なかった。

そうこうしているとその場は母が助け舟を出してくれて、うやむやになった。

助かったと思った。
そして、もっと姉が怖くなった。


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深海 [MAIL]

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