言わなきゃいけないことって診察で言い忘れるんだろう。
グラグラして、ブラックアウトするっていうのに。 何度も倒れるっていうのに。
診察終わってイスから立ち上がるときさえも立ちくらむっていうのに。 あのヒトは医者だから、言えば解決の糸口を引っ張り出してくれるのに? でもなんでどうして元気に笑ってダイジョーブだと思わせてしまうのか。
「透明な階段」 「からまった糸」
以前の主治医から言われた比喩。
今の主治医は記憶がどうとかいってこない。 ただ眠れない?とか直接的なことばかり聞いてくる。
ますます透明な階段をさがしもとめて、糸がからまっている気がする。
「私が言いたいのは(聞きたいのは)それじゃないのに」
なんて思いつつも、いつも診察では5分程度。
頭の中の声について聞いたら、はぐらかされて返答が得られなかった。 脳波に関しては異常がないらしい。それは、ありがとう。
前の主治医に戻してもらおうか。 今の主治医では話がかみ合わない。
8月にどうしても実家に一度帰らなければならなくなった。 年金申請のための初診届を書いてもらうため。初診は名古屋だったから。
家族と会うことになる。
兄は仕事柄ときどき上京してくるので会ったりもする。
おかあさん。
安心させるものであり、不安にさせるものであり、恐怖を与えるもの。
虐待をくらったわけではないけれど。 イイコでいたのに。 おかあさんの言うとおりに生きてきたのに。 どうして、どうして。 なんで言われてしまったのだろう。
私に対する時にはとても優しかった。 兄に私について話すのを思わず聞いてしまったときは、たまらなかった。
忘れたかった。
「あのコはマイペースで、、」「あのコは引っ込み思案で、、」
ヒトのオモテとウラ。 うすいふすまから、いくら声を小さく言ってても聞こえてた。 涙が止まらなくて、初めてそのとき『生きてちゃいけない』って思った。
小学3,4年生のときだろうか。
次の日の朝は、相変わらず優しく接する母がいた。
私も普段通りに接した、ような気がする。そこらへんは忘れたよ。
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