遺書

2005年03月22日(火) シクラメンの花を君へ

目の前のトンネルは暗く長く、
遠い君は、見えないが明るく。
行けば、君に会えるような気がする。

トンネルの中に何があっても僕は逃げたりしない。
トンネルの中で誰にあっても僕は逃げたりしない。

強い意志、
君に逢いたい
それだけを


どんなに時間がかかるのか、わからないけれど
君がどれだけ待っているのか、知らないけれど
君が待っているならば僕は行かなきゃならない

すべてみんな逃げて、失ったあの日の記憶の中
君だけが僕の手を握って、一緒に歩いてくれた
そんな君の言葉を信じて今、一人で歩き始めた

僕を待つ
その言葉だけを
頼りにし


そして、時は過ぎ去り。明るい日差しが見え、
僕がトンネルを抜ける場所。
開けた草原、咲き乱れる花たちと、静かにたつ十字。

そこで僕は、君の姿を初めて見た。そんな気がするほどに
君は綺麗に、綺麗に、静かに僕を待っていてくれた

僕のことを知っていた君
君のことを知らなかった僕

十字の下に眠る君へ、僕は摘んだばかりの花束を。
ありがとうと、さようなら。

一面に咲くシクラメンと十字架。
この景色胸に秘め、君との絆忘れない。

*あとがき
シクラメンの花言葉は絆。
絆の花を添える主人公と、
絆の花に囲まれて静かに眠る女性。
安らかな死を。


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