遺書

2004年11月18日(木) Coloring the World

絵描きが描いた少年。
魔法の絵の具。魔法と言う言葉で片付けられる分解不可の科学。

絵描きは少年に色を与えませんでした。
だから少年は色を食べつづけました。

そして

世界には色がなくなりました。
これが、絵描きの目的でした。

色のない世界、絵描きと少年。
すべてを色として知る少年。
それを知り色を塗ることのできる絵描き。

色のない世界。
絵描きが世界を作り出す。
海は青、空も青。やはり葉は緑。
血は赤、骨は白。肌の色は色々。

不正に汚された色。を絵描きは治して美しい世界にしました。
しかし、絵描きにも治せないものがありました。

それは夢でした。
どんな色を塗っても変わってしまい。
それ以前に色を塗ることができなかったのです。

絵描きは神にはなれずとても悔しがって
食べ終えた色が現われて変な色の少年を水に溶かして世界に流しました。

世界は不正に染まり、汚くなってしまいました。
そして絵描きはどこかに消え、二度と姿をあらわすことはありませんでした。

この様子を見ていた別の絵描きは
魔法の絵の具を知って、それを手に入れ、キャンバスに少年を描きました。

こうして世界は繰り返されていたのでした。


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