琥珀色の時
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2004年01月10日(土) 林望「リンボウ先生の書斎のある暮らし」

前回よりなんて日が開いてしまったことか。いかんなあ。
今回の副題は「知のための空間・時間・道具」
お馴染み林望先生のエッセイ。
【武蔵野の片ほとり菊離高志堂の北窓下にて】の〆言葉も久しぶり、前回読んだ「くりやのくりごと」以来のリンボウ本である。

男の書斎と銘うって作ったものの物置と化すような部屋ではなく、可能な限り自分の時間をやりくりし一人になる部屋を作る、そこでは明確なライフスタイルを具現せよ。
リンボウ先生は、理想的な書斎、道具、机などにお馴染みの蘊蓄を傾けます。
男でも女でも、もちろん夫婦でも、各々がひとりになる必要性を説いてます。
狭いうさぎ小屋ではなんとも大変な事でしょうが、あえて個室を確保する意義には納得させられますな。

事柄でおもしろかったのは、イギリスの貴族屋敷でのライブラリー、男性陣はここに集まって談笑(政治的な密談から単純な猥談まで)し、夫人方はドローイングルームでおしゃべりするというヴィクトリア時代の習わし。映画「日の名残り」にもそんなシーンがあったとかで、今度見るときには注意しよう。
昔は男性社会と女性社会は別物だからそういうことも当たり前でしたが、今でも(どんなに愛してる仲でもね)男と女の違いはあるでしょうね。近頃では男の方も女性的になってるから段々隔たりはなくなってるかな。
女の人はひとりになっても楽しみごとがそれなりにあるし、また見つけだすのも上手いが、男性は仕事一辺倒になっていると定年後をどうするか?ですね。
女房にべったりしてないで早く自分の趣味を見つけないと嫌がられるだけですよ、といわれる世の男性は少なくないでしょう。

一万余の蔵書のために造った書庫ももはや満杯というリンボウ先生には遠く及ばないが(比較対照にもならぬ)詰め込みすぎた本棚、ネット中毒気味なパソコン、コレが今の私の書斎ですね。
本棚もパソコンも共有してはいるけれどログインは別だし(管理者はダンナなんで見ようと思えば見られるが…)ダンナの蔵書はほんのすこしだから…
はたして、わたしの知的財産(笑)は確保されてると言えるだろうか。
個人的な秘密はかえってネット上にあげておいたほうが知られないというもの、ウム、家庭内で秘密を持つにはwebが一番と言う方策が出てきたぞ。


琥珀 |MAIL

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