ひなた
ずるい
ひどい
なんで
なんで
こんな誕生日なの?
でも
私もずるい
友達として
その時間を過ごす
それなら
横浜に行ける
それが私の決断
でも
その事を
日向に告げなかった
日向が出来る限りのことを
しようとしてくれてるのに
私は
友達ラインを守った行動しかしなかった
手も繋がない
くっついて座らない
でも
でも
だから
私は笑う事ができた
この人は恋人じゃない
単なる友達
気の会う友達
でも
そうやって過ごそうと
日向に告げてしまうには
日向にそう割り切られてしまうのには
悲しすぎて
ずるいの分かってた
傷つけてるの分かってた
でも
いえなかった
そうやって
ちょっとだけ
優位に立っていないと
私は涙が止まらなくなりそうだった
でもお互いに
ふとした瞬間に
表情が曇る
切ない顔をする
まぶしそうな顔をする
私は切なげに愛しそうに
見つめてくれる
その視線を拒否する事で
大丈夫
大丈夫って
自分に言い聞かせてた
友達になれるって
その視線に揺るがないように
流されないように
心を止めていられるって
そしてそうする事が
日向の望みなんだって
ずるい言い訳してた
日向はきちんと話してくれたのに
そうやって私は逃げてた
そうしてないと
普通にしていられなかった
日向の為にしてあげられる事が
何ひとつなくて
こんな風にしなくちゃ
自分が存在してられなかった
本当は分かってた
別れたら
明日が終わってしまったら
日向は
もう
そんな目で
私を見てくれる事はない
私がどんなに
視線を送っても
見事なくらい
無視してくれる
それが日向
でも
そう
知ってるから
今だけ
日向は私を好きだったって
確認させて
友達じゃない
愛情を持っていたって
私に見せて
私が拒否しても
ひるまない愛情を見せて
私が日向を愛したからじゃなくて
日向が私を愛してた
その証拠を見せて
日向が私にしたいと思うことを見せて
今日の私はそれを受け入れられないけど
でも見せて
見せて欲しい
私のそういうずるい態度に
日向は何も言わなかった
ただ
友達以上の行動を
欲してないのは
感じたから
そういう行為をせずに
普通に友達として
接してくれた
だから
私達は
普通の友達としての感覚で
横浜を楽しんだ
でも
表面上だけだったかもね
二人して
ずっと苦しかったよね
だって
食べる事大好きな二人が
日向の友達お勧めの
中華飯店に入って
いつもみたいに
注文して
でも
出てくる飲茶は
ちっとも減らなくて
一番のお勧めっていってた
シュウマイが
冷めてしまった。
一生懸命食べてるはずなのに
ちっとも減らなくて
だから
ついついそこに長居してしまった
ほんとに
不思議なくらい
減らなかった。笑
でも
横浜までの道のりと
中華街でのぶらぶらは
それでも
普通に笑ったりしてた
雑貨屋冷やかしたり
怪しい食材探したりしてた
でも私は
友達として過ごすなんていいながら
ずっと
この最後の夜に
一緒のベットで寝る事だけは
望んでた
手を繋ぐのも我慢できる
キスするのも我慢できる
でも
別々のベットで寝る事だけは
きっと出来ないって
思ってた
違うベットに入るくらいなら
私はベットに入らずに
起きているか
日向が寝てからこっそり
日向のベットに寄りかかって
寝る。
でも何でも言うとおりにしてあげる
って言われてて
それで
一緒のベットに寝ないなんて事は
それだけは出来ないって思ってた
ずるいってしってる
でも
それだけ
最後のわがまま
一緒に寝て欲しい
最後の夜だけ
日向の体温を感じていたい
きっともう
そんな風に
日向の体温を感じる事はないから
友達として過ごすって言いながら
どうしてもどうしても
それだけは
我慢できないなぁって
思ってた
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