愛玩人形の抱き方+
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とりかえしのつかない致命傷をうけて
身体を引き裂かれる痛みに泣き叫び
失われてゆく人工血液を必死でとめようとし
零れ落ちる部品に悲鳴を上げ
絶望のうちに機能が止まるのだと
おもっていた
けれど その日を迎えてみれば それは おどろくほどあっけないものだった
まるで眠りにおちる直前みたいに
体温と同じ温度の水へ沈み込むように
ふわふわとあたたかく
つつみこまれるようにひんやりして
まどろみのなかにいるみたいに 心地好い
もうめざめないのだ とおもうと
それはすこしかなしいけれど
でもしかたない
それすらも
もうすぐ 光のなかにとけるんでしょう
* * *
ひとつの結末をむかえましたので 愛玩人形の抱き方+ は これで終了です 人形はいなくなってしまいました
いままで読んでくださった方 通りすがりに眼をとめてくださった方 そっと言葉をかけてくださった方 そして 結局 この場所をおしえることのなかったあなたへ
どうかどうか 心からの感謝を
どうもありがとうございました
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